ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

『変化』の誕生

2008-11-05 | 経済・政治・社会
アメリカでオバマ大統領が誕生。

新しい歴史の1ページが開かれた日となりましたね。
(見たかった「ヒラリーのアメリカ」は実現しなかったけれど・・・)

「肌の色の違いだけで、そんなに何かが変わるんだろうか?」
と本格的な人種差別に遭ったことがないこともあり、実はその辺をやや(というか相当?)甘く見ていましたが、彼の勝利宣言の演説を聴きながら、画面に映し出される黒人の人たちの涙・涙・涙・涙
を見ているうちに認識の至らなさを思い知りました。
差別の歴史と現実があってこその涙なんでしょうね。

オバマの素朴で荒削りなスピーチを聴きつつ、
「アメリカは本気で彼の『変化』に賭けてるんだろうな~」
と感じました。100年に1度あるかないかの最悪の景気の中、第2のルーズベルト大統領となって新たなニューディール政策で、
「この閉塞感を打ち破ってほしい!社会を変えてほしい!」
と。逆に言えばこれって、「現実の前面否定」でもありそうです。

「元本返済のない住宅ローンであなたも夢のマイホームを!」
などという“ありえない話”に乗ってサブプライムローンを組んで住宅を買ったのは国民。もちろん、そんな融資の抜け道を容認してしまった金融当局にも問題があったにせよ、
「借りたものは返す」
は幼稚園の子どもでも知っていることでしょう┐(  ̄ー ̄)┌

そこで膨らむだけ膨らんだバブルが弾け、現実を全面的に否定して
『変化』を!
と言うのであれば、まず国民もツケを払わないと、ですよね。

『変化』を政治家任せにせず、国民自身も『変わりたい』とこの賭けに乗ったなら、ものすごいモメンタムが生まれるような気がします。
でも、『変えてほしい』と期待するだけなら、いずれかの段階で失望し、裏切られたと思い、逆恨みにつながる危険性もありそうです。

オバマが打ち出した『変化』とは、そんな諸刃の剣。
しかし、「そこんとこよーくわかった上で捨て身で臨んでる@@?」
スピーチからはそんな気迫を受けました。社会に新しい流れができれば、彼はその功績で後世に名を残し、できなければ「初の黒人大統領」として歴史の教科書の1行で終わるんでしょう。

アメリカのためにも世界のためにも前者であることを祈ります。

余談ですが、スピーチとしてはマケインの敗北宣言の方が格段に上手で感動的だと思いました。一緒に聞いていた善(11歳)に、
「どっちのスピーチの方が良かった?」
と聞くと、
「マケイン。」
と即答したくらい、その差は歴然に思えました。

それでもアメリカは素朴で荒削りな未知数を選んだんですね~。
それはそれで期待が募ります。

(←NZにも「変化」が?今週土曜日は総選挙です!)

再び余談。
夜になって届いた、海外生活が長かった日本の友人からメール。
『きょう子どもを迎えにいって、他のお母さんに、
「オバマになりそうですね~」
と言ったら、
「はぁ~?」
とドン引きされました・・。やはり、
「近所の植木屋さんステキ~!」
との話題じゃないとダメですね。トホホ。』

・・・で大笑い。

里帰り中に会ったときに、
「いくらイケメンだからって、植木屋さんよ、植木屋さん!」
と会話についていけないのを嘆いていた彼女。

ワタクシもこんな記事のUPでドン引きされてるかもしれませんね~
ふふふっ( ̄‥ ̄)ゞ

うちの専属植木屋さん
得意技は「トラ刈り」
がんばってねぇ♪