スズメのささやき

「ここんちってさ、いろいろくれるけど、ヘンなものも多いチュン。」
「そうだそうだ。」
「でも米はいつもウマいチュン♪」

「失敗したパンとか。」→

「粉っぽかったけど、けっきょく全部喰ったチュン。」




「こないだも、ご飯がドカって出てて“やったね！”と思ったら・・・・」

　







「酢飯だったチュン。」

「味はヘンだし、ベタベタしてくちばしにくっつくし・・・」
「ないよりましだチュン。」
「そうそう、けっきょく全部喰ったチュン。」




「きのうもヘンな紙みたいなもんがいっぱいあったチュン。」
「みんななんだかわかんなくて、最初は素通～りだったチュン。
紙なんか喰えっかって・・・」


「でも、これが喰えたんだチュン。春巻きの皮なんだって。」

「味はいいんだけど、デカくて喰いにくい。」
「こん次はもっと小さく切ってほしいチュン。」

「でも、けっきょく全部喰ったチュン。」

「あと、マカロニとかスパゲティーも喰ったことあったチュン。」
「肉や魚やナッツや芝の種もあるチュン。」

「でも、カボチャの種は喰えなかった。いくらなんでも硬すぎだったチュン。」
「誰も喰わなかったから、今になって庭のあちこちからカボチャの芽が出てきた・・・」

「どうすんだチュン？」

「おにぎりってのもあったチュン。」
「キッチンの窓からポーンと飛んできたから“やったチュ～ン♪”と思ったら、いきなり猫が飛び出してきてくわえて走ってった。あれにはビックリだったチュン。」
「えぇ、そんな猫いるのか？」




「あいつだチュン。」

「腹すかしてるみたいだチュン。いくら腹ペコでもおいらたちをご飯にすんのだけは、カンベンだチューン！！」