ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

誇って奢らず

2011-03-18 | 経済・政治・社会
地震から丸1週間。


地震、津波、放射能、避難所生活、計画停電、断水、燃料・食料不足、液状化現象・・・
地震から始まった問題を数え挙げていたら切りがないですが、報道に接するたびに勇気付けられることも徐々に増えている気がします。


瓦礫が片付けられたばかりの道を物資を満載したトラックが走り、
病院に電気が通じて手術が再開し、
たくさんの学校で卒業式が執り行われ・・・・
今日は八戸港に地震後初めて入港したという中国の大型貨物船がステンレスの材料を荷揚げしている様子にとても感動しました。


日本はまた動き出す!


そうは言っても、福島原発の問題は深刻でまだまだ予断を許さず、避難されている10万人近い方々の不安、心労、落胆たるや計り知れません。
これだけ大勢の人が背負った負担がいつか必ず原子力行政に反映されることを願うばかりです。
この経験から、絶対に何かを学ばなければ!


こちらではキウイたちからお見舞いの電話をもらい、近所の人がわざわざお見舞いを言いに来てくれたり、寄付のお金を届けてくれたりしています。


ヨガに行ってもボランティアに行っても、
「みことって、日本人だったわよね?」
というところから話が始まり(知らなかったの)、
その後はもうもう質問攻め


なにせ核というものがまったくない国。
「まぁ今は大変だけど、全部燃えちゃえばそれで終わりなんでしょ?」
という程度の認識
(それじゃ山火事だよ~)


「ルーター(looter:火事場泥棒)がいないってホント?」
というのも、みんなの高い関心を呼んでいます。これは欧米でも広く報道されていることで、アメリカのハリケーン・カトリーナのときやタヒチの地震でも商店や民家からの略奪が広く報じられました。


クライストチャーチ地震でも大勢のルーターが逮捕され、ルーター締め出しもあって震源地を中心に民間人の立ち入りを禁じていたぐらいです。
(余震による二次災害の防止という理由もありましたが)


「もしも民間人がもっと救助に加われたら、助けられた命があったのではないか?」
という批判もあり、ルーターか救助かとなると重い問題です。


「その問題がニッポンにはない?」
これはみんな驚かされたようです。


ルーターがいないどころか、大勢の人が壊れた家から知らない人の写真を見つけてきては避難所に届けている様子をテレビで観たことを伝えると、
「そうよね。何もかも失ったら、家族の写真ほど大切なものはないわ。」
と涙ぐみながら言う人も。


「でも、ニッポンは大丈夫よ。あんなに素晴らしいクルマを作る国なんだもの
と励まされました。



私もそう思います。



植民地化を免れたばかりか、明治維新で一気に近代化し、
数々の戦争で大きな過ちまで突き進み、
世界で唯一の被爆国となり、
焼け跡から奇跡の復興をとげ、
バブルに湧いてそれも弾け、
今また国難というより、人類として未曾有の苦難に直面しています。


でも、日本は絶対にここから立ち直ります。
それを信じていない人は、世界に1人もいないでしょう。


謙虚さは日本人の美徳かもしれませんが、これは絶対に誇っていいはず。
誇って奢らず。 

がんばりましょう!