ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

6日目の涙

2011-03-16 | 経済・政治・社会
地震と津波だけでも千年に1度の悲劇だったはずなのに、それに原発の問題まで加わり、東北関東大震災は人類が初めて経験する未曾有の有事になってしまいました。


報道に接する度、事態の悪化に息が止まる思いです。チェルノブイリを越える惨事にならないよう、ただただ祈ることしかできません。そんなときでも仕事とはいえ、あの放射線の中で関係者が持ち場を離れられずにいるのかと思うと、1人の人間として胸が張り裂ける思いです。


もちろん、関東の灯りを絶やさないために、日本の経済の心臓を支えるために、原発を受け入れ、そして今、避難を余儀なくされている福島の方たちの不安や憤りはいかばかりでしょう。


そんな中、親戚の安否がわからなくなっていた元同僚からメールをもらいました。
「2家族とも家は流されてしまったようですが、命が助かって本当によかったです」



吉報です。



しかし、地震から6日目にして初めて涙が流れました。



今まで何度も目を潤ませ、胸が熱くなることはあっても、涙が流れたことはありませんでした。それを自分に許したら歯止めがきかなくなりそうで、どこかで禁じていたように思います。


しかし、今日の今日になって、
「家は流されてしまったようですが・・・・よかったです」
という、命以外はすべてあきらめざるを得ないあまりに過酷な現実が、元同僚を通じてぐっと身近に実感できたとたん、涙がこぼれました。


テレビの向こう側の出来事を、今日になって初めて自分にまで引き寄せて理解することができました。このタイムラグは私の想像力の欠如のせいなのか、想像を超えた出来事のせいなのか。



自衛隊ヘリによる原発の消火が放射線量の多さから見送られたという報道に接しつつ、自然災害の二次災害としてはあまりにも惨い現実に再び言葉を失っています。