フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月6日(水) 晴れ

2006-12-07 00:53:35 | Weblog
  かかりつけの大学病院で結石関連の定期検査を受ける。血液検査と尿検査とレントゲン検査をして、その結果が出るのを待って(1時間ほどかかる)、診察室に呼ばれる。尿検査とレントゲン検査の結果は問題なかったが(新たな結石が出来ている形跡はなし)、血液検査の結果に問題があると言われる。血糖値と中性脂肪の数値が高いのだ。「何か心当たりがありますか」とK医師から問われたが、母が糖尿病を患っているから自分にもその素質はあるということと、ここ数ヶ月、原稿の締切に追われて運動らしい運動をしていないこと、この2つが思い浮かぶ。どちらも大きな要因と思われる…。と、そのときK医師が言った。「もしかして朝食をとられましたか?」「はい、とってから来ましたが」「あっ、そのせいですね。ここに記されている正常値の範囲は空腹時のものなんです」そ、そうだったのか…。今日の検査は尿とレントゲンだけだと思っていて、それなら食事は関係ないと勝手に決め込んで、家を出る前に朝食をとってしまっていたのだった。検査の一時間ほど前のことである。空腹時と食後一時間ではそりゃ違うよな。素人でもそれくらいはわかる。実は、血液検査では以前にもミスをしている。前日にジムで筋トレを一生懸命やったせいで、肝機能を示す数値に異常が出たのである(筋トレというのは筋肉の細胞を痛めるので、そうするとガンマーなんとかの数値が上昇する)。今日、採血のとき、一度で針がきちんと血管に入らず、痛い思いをしたが、いまから考えると、あれはお仕置きだったのかもしれない。
  帰宅して、昼飯を食べ、昼寝をしてから、明日のオンデマンド授業(文化構想学部の現代人間論系基礎講義)の収録の準備。パワーポイントを使って授業をする先生が多いようだが、私はパワーポイントを使った授業は好みではない。動きに乏しいからだ。授業はライブである。オンデマンド授業であっても、そのライブ感覚は大切にしたい。スタジオのホワイトボードの前に立って授業をする。ただしホワイトボードに貼り付けて使うフリップ(キーワードや短文での説明が書いてある)は事前に作成しておく。これを適時、マグネットで貼り付けながら、話をするのである。図なんかはその場でフリーハンドでホワイトボードに描きながら話をした方が臨場感があっていい。思うに、パワーポイントを使って紙芝居のような授業をするくらいなら、自分で教科書(講義録)を書いて、「次回は第×回。○ページから△ページまで読んでおいて下さい。そして質問があったらメールでどうぞ」と言って、それで済ませたい。オンデマンド授業は学生が都合のいい時間に受けられるからいいという人がいるが、だったら本の方が、時間だけでなく、空間も選ばないから(自宅でも車内でも喫茶店でも公園でも・・・どこでも読める)、もっといいはずだろう。いっそのこと全部通信制にしてしまえば、新校舎を建てるための寄付を募らなくて済む。でも、決してそうはならないだろう。教室という空間で、教師と学生が、面と向かって授業をすることは絶対に必要なことだから。新学部の基礎講義をオンデマンド授業にしたことは、マイナス面の方が大きいと私は思う。生きのいい新入生と教師が出会うせっかくの機会をみすみす一つ放棄してしまったのだから。しかし、決まったことはしかたがない。その分、基礎演習で頑張るしかないといまは考えている。