フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

2月8日(日) 晴れ

2009-02-09 01:51:34 | Weblog
  8時、起床。昨日の夕食の残りのヒレカツ、トースト、紅茶の朝食。フィールドノートの更新と読書。午後、散歩に出る。陽射しはあるが風は冷たい。「やぶ久」で昼食(味噌煮込みうどん)をとってから、松岡美術館に出かける。地下鉄三田線の白金台の駅で降りて、通称「プラチナ通り」を5分ほど歩き、一歩脇道に入ったところにある私立の美術館で、松岡地所の創業者松岡清次郎のコレクションが展示されている。展示室は6つあって、古代オリエント美術(展示室1)、現代彫刻(展示室2)、ガンダーラ・インド彫刻(展示室3)、東洋陶器(展示室4)、日本画(展示室5)、フランス近代絵画(展示室6)というのが常設の配置だが、今日は、展示室6は文楽を描いた宮前秀樹の現代日本画展をやっていた。期待していた美人画展はそれほどでもなかったが、最初に入った展示室1の古代オリエント美術に大変感銘を受けた。展示室そのものがビラミッドの内部の石室のようで、そこに古代エジプトの大小の出土品(色彩木棺、エヘネイ像、墓場の壁のレリーフ、聖猫や聖牛の石像など)が展示されている。はるかな時空を超えて、私の目の前にそれらのものがあるという事実がまず感動的である。そして、そのとき展示室には自分ひとりだけだったので、怖いほどの(自分が墓泥棒にでもなったような!)臨場感があった。それから展示室2の現代彫刻(ヘンリー・ムーアとエミリオ・グレコの作品が中心)も存在感のある作品ばかりで、一つ一つじっくりと向かい合うことができる。帰りはJRの目黒駅まで、「寒っ」と首をすくめながら歩いた。
  蒲田に戻ってから、「シャノアール」でケーキ(モンブラン)と珈琲を注文し、津村記久子『ポトスライムの舟』を読む。今日はもう眠くなったので、この芥川賞受賞作を読んだ感想はまた今度ということで。