フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月4日(木) 曇り

2010-11-05 09:04:34 | Weblog

  8時、起床。今朝は少しばかり気温が低いように感じる。鮭フレークと浅利の佃煮でご飯の朝食。最初は普通に食べて、最後はお茶漬けになる。9時半に家を出て、大学へ。

  10時40分からカリキュラム委員会打合せ。昼休みの終り頃までかかる。3限が授業の肥田先生は昼食抜きで授業へと向かわれた。私は「たかはし」へ。5週間前の木曜日と同じく、多元文化論系の河野先生がいらした。今日は肉豆腐定食を召しあがっている。私は前回と同じく豚肉生姜焼き定食。夜間の授業があるので、スタミナをつけておかねばならないのである。隣に河野先生がいらっしゃるので、写真を撮るのを躊躇ったが、やっぱり撮ることにした。すると、河野先生は「私も食べる前に肉豆腐定食をケータイのカメラで撮りました」とおっしゃった。類は友を呼ぶ。


中庭の大きな木を写真に収めておく

  2時から教務・事務打合せ。2時間ほどかかる。終ってから、ミルクホールで珈琲を購入して、自分の研究室に行って飲む。ほっと一息。一人きりになれる場所はここしかない。
  6限は講義「ライフストーリーの社会学」。教務室に戻り、明日のペアレンツデイの準備。まだパワポのスライドの資料が作れてないのだ。しかしあれこれの雑用が入り、なかなか腰を据えて作業にかかれない。9時を過ぎたので、あとは自宅に帰ってやることにする。「秀永」で遅めの夕食。タンメンを食べる。塩味の鶏がらスープに肉野菜炒めの組み合わせのタンメン、これ、和製中華料理である。「お前に食わせるタンメンはねぇ」という次長課長の河本の台詞がどうしても頭に浮かぶ。

  10時半、帰宅。風呂を浴び、メールを数本書いてから、作業にとりかかる。2時過ぎに作業終了。事務所の担当者にパワポの資料をメールで送る。 昼間はそうでもなかったが、夜は冷え込みが厳しい。


11月3日(水) 晴れ

2010-11-04 02:23:48 | Weblog

  7時半、起床。秋らしい澄んだ青空が広がっている。原稿のことがなければ絶対に外出するところだが、我慢、我慢。ブログを更新してから、チンジャオロース(夕食の残り)、レタス、トースト、冷麦茶の朝食。

  朝食後、シンポジウムの報告原稿にとりかかる。昼食(鮭茶漬け)を挟んで、3時頃、書きあがる。400字詰原稿用紙換算で24枚。妻に、「今夜は天ぷらが食べたいな」と言ったら、「どうして?」と聞き返されたので、「原稿が書きあがったから、かき揚げ(書き上げ)だ」と答える。妻、「材料がないからダメ」と言う。野菜の天ぷらでいいんだけどね。
  頭脳労働の後は糖分を補給せねばならない。原稿を関係者にメールで送ってから、自転車に乗って、「甘味あらい」に行く。水曜が定休日なのだが、祝日は営業しているのだ(翌日が休日となる)。栗あんみつに白玉をトッピングしてもらう。あんはこしあんをチョイス。栗との相性がよいのだ。それにしてもこの栗の絶妙の柔らかさはどうだろう。いま、「甘味あらい」に来たら、看板商品の贅沢あんみつよりも栗あんみつを注文することを勧める。贅沢あんみつは通年商品だが、栗あんみつは季節限定で、いましか食べられない。


アイススクリームは普通のバニラに見えるが、実は、栗のアイスクリームなのだ。

  帰宅して、ジムへ行く。いつものメニュー通り、筋トレ2セットと有酸素運動35分。水曜日にジムへ行くのは夏休み以来である。週の真ん中の水曜日が休みだと、たとえ朝から原稿書きであったとしても、気分が楽である。ふだんはここにこれでもかというくらい会議が入る。首の筋肉がコチコチになる。そして夜、翌日の授業(大学院の演習と学部の講義)の準備をしないとならない。そして金曜日がまたこれでもかというくらい会議があって、夕方からはゼミが2コマ連続である。この水木金の三日間を乗り越えると週末で、週末がこんなによいものだとは教務になるまで知らなかったくらいである。
  帰宅して、夕食。献立はカキフライであった。なるほど、リクエストの天ぷらではないけれど、カキ揚げ(書き上げ)ではある。


11月2日(火) 晴れ

2010-11-03 08:33:06 | Weblog

  8時半、起床。昨日に引き続いて今日も暖かい。でも、暖かいのは今日までらしい。ということは、夜から冷えるのだろう。ベーコン&エッグ、レタス、トースト、牛乳の朝食。


猫のいる食卓

  11時に家を出て、大学へ。昼休みの時間に文学部・文化構想学部の助手懇談会。「たかはし」のお弁当を食べながら、助手業務の現状について話してもらう。
  4限の演習「ケーススタディの方法」は今日からグループ報告が始まった。初回の今日はドラマ班(「アトホーム・ダット」を取り上げた)と音楽班(ミスチルを取り上げた)。
  今日は日直当番。「秀永」で早めの夕食をとる。先日と同じ広東麺にする。ここの広東麺は美味しい。広東麺とは、「豚肉や海鮮、ウズラの卵などと野菜を醤油で味付けしあんにしたものをかけたラーメン」のことで、五目ソバともいう。栄養のバランスがよく、あんかけなのでスープが冷めにくい。これからの季節にはもってこいだ。

  今度の金曜日はペアレンツデー。文学部と文化構想学部の2年生の親御さんたちがやってくる。両学部のカリキュラム等の説明を私が担当することになっているので、そのためのパワーポイントのスライドを作成しなければならない。夕方、必要なデータを事務所に行ってお願いしておいたら、8時ごろまでにすべて出揃った。仕事が迅速である。事務所の方たちの有能であることは、論系の主任をやっているときから知っていた。私がまがりなりにも教務主任の仕事をこなせているのも事務の方たちのおかげである。
  仕事の合間に学生からもらった『マイルストーン』の最新号をパラパラと読む。冒頭の「青春18キップの旅」がなかなか面白くて、長篇だが、ついつい読んでしまった。

  仕事は10時に切り上げる。帰りがけにスロープをあがったとろこに置かれている現代人間論系の進級ガイダンスの看板を写真に撮る。「あなたあってのわたしあってのあなた―共に生きる―」と書かれている。誰が考えたコピーだろう。安藤先生だろうか。文学学術院のマスコット・キャラクターであるブンコアラが使われている。論系主任が変わると看板の雰囲気も変わるものである。中庭には他の論系の看板も立っている(写真は割愛)。11月10日(水)から1週間、土曜を除く毎日、昼休みに36号館382教室で各論系の進級ガイダンスが行われる。論系によっては論系室での個別相談も実施されるようである。


「あなたあってのわたしあってのあなた(あってのわたしあってのあなたあっての・・・)」と無限に続く

  あゆみブックスで、エリザベス・ストラウト(小川高義訳)『オリーヴ・キタリッジの生活』(早川書房)を購入。最初の一篇、「薬局」を電車の中で読む。

  「薬局は小さな二階建てのビルだった。すぐ隣のビルにくっついていて、そっちには金物屋と小さな食品屋が入っていた。ヘンリーは毎朝、大きな金属容器がならんでいる裏手に車を駐めて、薬局の裏口から入り、電灯をつけて歩いて、室温の設定をした。もし夏であれば、ファンを回した。金庫を開けて、レジに現金を入れ、表のドアを開け、手を洗って白衣を着た。そんな儀式めいた行動が楽しかった。
  この古い店には―歯磨きやビタミン剤、化粧品、髪飾り、また縫い針やグリーティングカード、あるいは赤いゴム製の湯たんぽ、浣腸器が、ずらずら棚にならんだところを見ていると―しっかりした人格がそなわっているような気がした。だから、もし自宅でいやなことがあったのだとしても、また夜中に妻が起き出して家の中を歩きまわるので心が安まらないのだとしても、この落ち着いた店内を歩いていれば、すべて波が引くように消えていくのだった。店の奥に立って、薬剤がきちんと引き出しに収まっていると思うと、ヘンリーは明るい気分になった。」(7-8頁)

  タイトルにあるオリーブ・キタリッジとはこの薬局の主人ヘンリーの妻の名前である。彼女は13篇の作品全部に登場するらしい。その間、彼女は中年の女性から74歳の未亡人になる(ヘンリーは死んじゃうわけだ)。面白い趣向の連作短編集だ。「訳者あとがき」の中には本書を読むための使用上の注意が3つ書かれている。

  ・初めから順にお読みください。順序を乱すと効目が薄れることがあります。
  ・第一篇だけで判断せず、せめて二篇か三篇は服用して、しばらく様子を見てください。
  ・田舎町の老人の生活なら落ち着いたものだろうと、という先入観があるとしたら、鑑賞の妨げになります。

  原書は2008年の出版で、翌年、ピュリッツァー賞を受賞している。


11月1日(月) 晴れ

2010-11-02 10:50:16 | Weblog

  8時、起床。コンビニにパンとジュースを買いに出る。1月ほど前に剪定した赤芽からいつの間にか赤い葉っぱが出てきた。ほとんど坊主に刈ったのにすごい生命力だ。


鶏の唐揚げ、レタス、トースト、グレープフルーツジュースの朝食

  午前中はシンポジウムの報告原稿書き。昼食に鮭のお茶漬けを食べてから、午後1時過ぎに家を出て、横浜の山手学院に模擬講義に向かう。私のゼミの4年生のOさんがここの卒業生で、その縁故で、2年前に一度模擬講義を頼まれて出向いたことがある。幸い好評だったらしく、今回、二度目の依頼が来たのである。最寄り駅の港南台までは蒲田から京浜東北線で一本で行ける。所要時間は41分。車内で講義の段取りを考える。高校の授業というのは大学の授業(90分)の半分の45分である。90分という単位時間が身体に染み付いている者からすると、講義を始めたと思ったらすぐに終ってしまう時間である。中途半端な内容にならないように構成を考える。基本的には、大学でやっている講義「日常生活の社会学」の初回の授業のダイジェスト版であるが、ふだん使っているパワーポインとは使わす、生徒との対話を中心に(サンデル教授の「白熱教室」みたいな感じで)やっていこうと決める。
  港南台駅から山手学院までは「徒歩12分」とホームページの道案内に書かれているが、一度来ているところだから、スタスタ歩いて、10分で到着。 正門から校舎までは坂道になっていて、春に来たら並木の桜が見事だろう。

  担当の先生方と進路指導室で雑談をして、2時50分から模擬講義を始める。サンデル教授の授業では、教師が学生をファーストネームで呼ぶ。「ジョン」とか「メアリー」とか。しかし日本の風土ではそれはなじまないので「田中君」「佐藤さん」と苗字で呼ぶ。でも、今日は、教壇に上がってもらった男子生徒に対してだけ、下の名前で呼んでみることにした。「君の名前は?」「○○です」「下の名前は?」「シンペー」です」「シンペー。これから君のことをそう呼んでいいかな?」。教室に笑いが起きる。その男子生徒は一瞬言葉につまったが、「はい」と答えた。「シンペー、君の好きな食べ物は?」。再び教室に笑いが起きる。作戦成功である。シンペー答えて曰く、「アボガドです」。どっと笑いが起きる。うん、いいキャラクターだ。今日の講義がうまくいったのは、半分はシンペーのおかげである。ありがとう、シンペー。
  予想していた通り、45分はあっという間に過ぎたが、その後の質問が的を射たいいものだったので、15分ほど延長して、説明したりなかった部分を補うことができた。いい質問ができるというのはちゃんと講義を聴いていてくれている証拠である。講義が終ってからも、何人かの生徒が質問に来たり、指定校推薦で来春早稲田大学に入学することになっている生徒たちが挨拶に来たりした。文化構想学部と文学部に来る生徒には、今日の続きは講義「日常生活の社会学」で聴いてくださいと言っておいた。進路指導室まで来てくれた熱心な生徒にはテキスト『日常生活の社会学』(学文社)を進呈した。


ケーキと珈琲で慰労される

  帰宅したのは6時ごろ。それからジムに行って、筋トレ2セットと有酸素運動35分をこなす。土日とジムにいっていないので、今日はぜひ行こうと決めていた。頭や神経が疲れたときは、身体も疲れさせないと、バランスが悪いのだ。心身のトータルな疲労はトータルな回復につながる、というのが私なりの理論である。トレーニング直後に計った体重は今年の最小値を記録した。
  夜はシンポジウムの報告原稿書き。予定枚数にほぼ達したが、内容的にはまだ完結していない。書きつつ、同時に、削らなければならない。それは3日(文化の日)の作業となる。

  2002年の11月1日から始めたフィールドノートが今日で8周年を迎えた。われながらよく続いているものである。今回、教務のお役目を引き受けるにあたって、躊躇した理由の1つは、これまでのようにフィールドノートを続けることができるだろうかということだった。書くための時間が確保できるかということと、書けないこと(制約)が増えるのではないかということだった。ブログを書く時間もないような多忙な毎日はいやだし、ブログも気軽に書けないような不自由な毎日はもっといやだ。でも、これまでのところは、どうにかやっていけている。


10月31日(日) 曇り、深夜になって雨

2010-11-01 02:26:28 | Weblog

  9時、起床。朝食は昨夜の残りの鶏鍋でご飯。今日は終日書斎に篭って原稿書き。午前中に生協の論系進級パンフレットの巻頭言を書いて、メールで送る。B5一枚で900字程度という注文だったが、私の感覚では巻頭言というのはそんなにビッシリと書くものではないので、700字程度にしておく。「迷うことの大切さ、迷いすぎないことの賢明さ」というタイトルを付ける。パンフレットは11月中旬には生協戸山店で配布されると思うので、文化構想学部の1年生は読んでほしい。
  午後は、今度の日曜日に名古屋大学で開催される日本社会学会のシンポジウムでの報告原稿を書く。散歩にもジムにも出かけず書き続けたが、書き上がらなかった。明日に持ち越しである。ただし、明日は午後から横浜の山手学院に出張講義の予定が入っているので、丸々は使えない。3日の文化の日が何の予定も入れずにキープしてあるので、さすがにそこで書き上がるとは思うが。万万が一そこでも書き上がらなかった場合は、シンポジウム前日の土曜日が最後の砦となるが、そこでの闘いは避けたいと思う。
  原稿を書いていると、背後の窓の付近で音がして、小雀が慌てた様子で飛び上がった。振り返ると、野良猫のなつがやってきて、窓ガラスに顔をつけていた。


小雀ちょうだい


頭かくして・・・