8時半、起床。昨日に引き続いて今日も暖かい。でも、暖かいのは今日までらしい。ということは、夜から冷えるのだろう。ベーコン&エッグ、レタス、トースト、牛乳の朝食。
猫のいる食卓
11時に家を出て、大学へ。昼休みの時間に文学部・文化構想学部の助手懇談会。「たかはし」のお弁当を食べながら、助手業務の現状について話してもらう。
4限の演習「ケーススタディの方法」は今日からグループ報告が始まった。初回の今日はドラマ班(「アトホーム・ダット」を取り上げた)と音楽班(ミスチルを取り上げた)。
今日は日直当番。「秀永」で早めの夕食をとる。先日と同じ広東麺にする。ここの広東麺は美味しい。広東麺とは、「豚肉や海鮮、ウズラの卵などと野菜を醤油で味付けしあんにしたものをかけたラーメン」のことで、五目ソバともいう。栄養のバランスがよく、あんかけなのでスープが冷めにくい。これからの季節にはもってこいだ。
今度の金曜日はペアレンツデー。文学部と文化構想学部の2年生の親御さんたちがやってくる。両学部のカリキュラム等の説明を私が担当することになっているので、そのためのパワーポイントのスライドを作成しなければならない。夕方、必要なデータを事務所に行ってお願いしておいたら、8時ごろまでにすべて出揃った。仕事が迅速である。事務所の方たちの有能であることは、論系の主任をやっているときから知っていた。私がまがりなりにも教務主任の仕事をこなせているのも事務の方たちのおかげである。
仕事の合間に学生からもらった『マイルストーン』の最新号をパラパラと読む。冒頭の「青春18キップの旅」がなかなか面白くて、長篇だが、ついつい読んでしまった。
仕事は10時に切り上げる。帰りがけにスロープをあがったとろこに置かれている現代人間論系の進級ガイダンスの看板を写真に撮る。「あなたあってのわたしあってのあなた―共に生きる―」と書かれている。誰が考えたコピーだろう。安藤先生だろうか。文学学術院のマスコット・キャラクターであるブンコアラが使われている。論系主任が変わると看板の雰囲気も変わるものである。中庭には他の論系の看板も立っている(写真は割愛)。11月10日(水)から1週間、土曜を除く毎日、昼休みに36号館382教室で各論系の進級ガイダンスが行われる。論系によっては論系室での個別相談も実施されるようである。
「あなたあってのわたしあってのあなた(あってのわたしあってのあなたあっての・・・)」と無限に続く
あゆみブックスで、エリザベス・ストラウト(小川高義訳)『オリーヴ・キタリッジの生活』(早川書房)を購入。最初の一篇、「薬局」を電車の中で読む。
「薬局は小さな二階建てのビルだった。すぐ隣のビルにくっついていて、そっちには金物屋と小さな食品屋が入っていた。ヘンリーは毎朝、大きな金属容器がならんでいる裏手に車を駐めて、薬局の裏口から入り、電灯をつけて歩いて、室温の設定をした。もし夏であれば、ファンを回した。金庫を開けて、レジに現金を入れ、表のドアを開け、手を洗って白衣を着た。そんな儀式めいた行動が楽しかった。
この古い店には―歯磨きやビタミン剤、化粧品、髪飾り、また縫い針やグリーティングカード、あるいは赤いゴム製の湯たんぽ、浣腸器が、ずらずら棚にならんだところを見ていると―しっかりした人格がそなわっているような気がした。だから、もし自宅でいやなことがあったのだとしても、また夜中に妻が起き出して家の中を歩きまわるので心が安まらないのだとしても、この落ち着いた店内を歩いていれば、すべて波が引くように消えていくのだった。店の奥に立って、薬剤がきちんと引き出しに収まっていると思うと、ヘンリーは明るい気分になった。」(7-8頁)
タイトルにあるオリーブ・キタリッジとはこの薬局の主人ヘンリーの妻の名前である。彼女は13篇の作品全部に登場するらしい。その間、彼女は中年の女性から74歳の未亡人になる(ヘンリーは死んじゃうわけだ)。面白い趣向の連作短編集だ。「訳者あとがき」の中には本書を読むための使用上の注意が3つ書かれている。
・初めから順にお読みください。順序を乱すと効目が薄れることがあります。
・第一篇だけで判断せず、せめて二篇か三篇は服用して、しばらく様子を見てください。
・田舎町の老人の生活なら落ち着いたものだろうと、という先入観があるとしたら、鑑賞の妨げになります。
原書は2008年の出版で、翌年、ピュリッツァー賞を受賞している。