フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月24日(土) 曇りのち晴れ

2012-11-25 12:07:36 | Weblog

  7時半、起床。曇ってはいるが、午後からは晴れてくるだろう。どこへ出かけようかと考える。昨日から始まった世田谷美術館の「松本竣介展」か、今日から始まる東京都写真美術館の「北井一夫展」かと考えて、後者にする。

  11時頃、家を出て、くまざわ書店で以下の本を購入。

    星新一『きまぐれ星のメモ』(角川文庫)

    よしもとばなな『人生の旅をゆく2』(NHK出版)

    益田ミリ『すーちゃんの恋』(幻冬舎)

  朝食兼昼食を「まやんち」へ食べに行く。席に着こうとしていると店長さんとスタッフの方たちがやってきて、「ブログ、ありがとうございます」と挨拶をされる。お菓子教室の生徒さんから私のブログのことを知ったとのこと。先週、「一二三堂」のご主人から挨拶をされたばかりだったので、同じようなことが立て続けに起こって、驚いた。

  店長さんが「ありがとうございます」と言ったのは、ブログで「まやんち」のことを好意的に書いてあるからである。私はあまりいい印象をもなたかったお店のことはブログには書かないようにしている。どこどこの店に入り何を食べたかは日々の記録として書くけれども、それ以上は言及しない。わざわざ悪口を書くようなことはしない。それは営業妨害になるからというよりも、「フィールドノート」の世界を自分の好きな人や好きなものを中心に構成したいという気持ちが働いているからだと思う。

  野菜のサンドウィッチ(スープ付き)とミルクティー(アッサム)を注文。デザートにはもうそろそろ終わってしまうかもしれない季節限定のモンブラン。紅茶はマグカップでも注文できるが、今日は購入したばかりの本に目を通したかったので、カップ3杯分は飲めるポットの方にする。

  アフタヌーンティーのセットを注文した女性二人連れの客の一人は、今日が誕生日らしい。お店の方が「お誕生日おめでとうございます」と言って、アフタヌーンティーをテーブルに運んできた。他のお客さんも祝福の拍手をした。来年の4月11日には私もここでアフタヌーンティーを注文して、みなさんから祝福してもらおうかしら。昔、私の演習の女子学生が、一人でファミレスに入って、ケーキをホールで注文し、そこに用意しておいてローソクを立て、♪ハッピー・バース・デイ・ツー・ミーと歌うという実験を試みたことろがあるが、店のスタッフや客はあたたかく祝福してくれたそうである。路上ではそうはいかないだろう。カフェは、ひとりになれる場所でもあり、(その気になれば)他人とのかかわりが生まれる場所でもある。孤独と社交の両義的な場所であり、都市空間における特異点である。

  店を出るとき、店長さんとスタッフさん(のお一人)の写真を撮らせていただいた。「まやんち」という店名から店長さんのお名前は「まや」というのかと思っていたが、そうではなくて、「まゆみ」さんである。「ま」が共通であるが、「まゆみ」→「まや」は少々距離がある。店名の由来については今度うかがうことにしよう。スタッフの方は私の認識している限りでは3人いらっしゃるが、みなさんおきれいな方である。写真の方は、以前のブログで、私のカメラ(パナソニックのDMC-LX5)を「かわいいカメラですね」と言ってくださった方である。

 

 

 
             店長さん                         スタッフさん(のお一人)        

  恵比寿ガーデンプレイスに行く。

    『北井一夫 いつか見た風景』展は、今年で68歳になる北井一夫の初めての大規模な個人展である。北井一夫は好きな写真家の一人で、感想を書き始めると長くなりそうなので(今日は午後から『松本俊介展』を観に行こうと思っている)、やめておくが、会期中に、ぜひもう一度行きたい展示会である。

  昼食は恵比寿タワー39Fの「東天紅」でとる。これまで、東京都写真美術館に来たときは併設のカフェ「シャンブル・クレール」(明るい部屋)で昼食をとるのが楽しみだったが、それがなくなってしまって、どこで昼食をとったらいいかがわからない。ちょうど空も晴れてきたので、眺望に期待して、前から一度行ってみたいと思っていた「東天紅」に行ってみることにした。窓際のテーブルに案内される。窓際は2人用(カップル)席で占められていて、3人以上だと窓際の席には着けない。でも、1人客は2人客に準じるから、窓際のテーブルに着けるのだ。ラッキー。ランチメニューの中から「華定食」(2100円。ただし土日祝日は10%のサービス料が付く)を注文する。この景色を眺めながら、この料理がこの価格で味わえるというのは、とてもお得感がある。学生同士のデートにもお薦めである。なお、「華定食」は全部が一度に出て来るが、「扇定食」(3150円)は皿数も増えるので、コースで運ばれてくる。大人同士のデートにはこちららがお薦めである。

 
チャーシュー                         海老のチリソース

 
酢豚                                春巻



   恵比寿ガーデンプレイスタワーの高さは167メートル。これは東京タワーの大展望台の2階(150メートル)よりも高い。この素晴らしい眺望はレストランを利用しなくてもフロアーから楽しめる。お腹は減っていない、あるいはお腹が減ってはいるが懐に余裕のない方にもお薦めの場所である。

  蒲田に戻り、夕方、ジムに行く。筋トレ2セットと有酸素運動40分(450キロカロリーを消費)。カフェと美術館とジム、バランスのとれた一日だった。土曜日はかくありたい。ジムの帰り、くまざわ書店で以下の本を購入。午前中に来たときは荷物になるので(アーチャーの本などは800頁もある)、買わなかった本たちだ。

  アーサー・ブラウン『共産主義の興亡』(中央公論新社)

  遠藤知巳編『フラット・カルチャー 現代日本の社会学』(セリか書房)

  小熊英二編『平成史』(河出ブックス)

  鷲巣力『「加藤周一」という生き方』(筑摩書房)

  鈴木智之・西田善行編『失われざる十年の記憶 一九九〇年代の社会学』(青弓社)


11月23日(金) 曇り

2012-11-24 09:41:24 | Weblog

  8時半、起床。鱈子の佃煮と山椒しらすでお茶漬けの朝食。

  11時半頃、自宅を出て、大学へ。今日は国民の祝日だが、大学の授業はある。大学歴というローカルルールがあって、各科目半期15回の授業回数を確保するために、授業を実施する祝日というものが設けられているのだ。これは憲法違反なのではないかという声もあるが、ほとんどの教員、そして学生は、「やれやれ」という感じで従っている。元々、夏休みとか冬休みとか、週休3日とか、普段から休みがたくさんあるから、あまり文句も言えないということだろうか。

  でも、休日だけでなく、個人研究費や超過勤務手当てやボーナスなどの賃金も減らされようとしているので、これに関しては時間資源の搾取と同じ調子でおとなしくし従うのはどうかと思う。

  昼食は、授業の準備をしながら、研究室でカップ麺とおにぎり(昆布)。おにぎりは大学に来る途中でコンビニで買ったものだが、カップ麺の方は、研究室の食器棚に外に食べにいけないときのために置いてあるもの(ほかに切り餅なんかもある)。久しぶりに食べるカップ麺はスープの味が濃いと感じた。味噌汁代わりにおにぎりと一緒に食べてちょうど良い感じ。

  3限は講義「ライフストーリーの社会学」。折り返し点を過ぎたので、これまでの講義の流れを復習してから、本題に入る。戦争体験とライフストーリーについて。戦後67年・・・いまがはたして「戦後」なのかどうかは後になってみないとわからない。戦争へ向かうプロセスはある段階を過ぎると誰も表立って反対を唱えることができなくものだから、反対できるときには声に出して反対しなければならない。「戦争を知らない子供たち」というフォークソングが流行ったのは1970年代の初めであった。私たちは自分たちのことを「戦争を知らない子供たち」として認識していた。いま、私が教えているのは「戦争を知らない子供たち」の子供たちである。「戦争を知らない子供もたち」を知らない子供たちである。今日の授業のレビューシート(一週間以内に提出)は「戦争について」語ってもらうことを課題とした。

  4限はHさんのゼミ論の個別指導。1時間くらいの予定だったのだが、結局、2時間かかった。もっとも終わりの方の30分はゼミ論の内容とは関係のない雑談であった。しかし、雑談もコミュニケーションのうちである。むしろ、コミュニケーション機能は本題よりも雑談の方が高いのではないかと思う。

  Hさんの友人のIさんもやってきたので、3人で「五郎八」に食事に行く。夕方の開店は5時からだと勘違いして行ったら、5時半からだったようで、「準備中」の札が出ていたが、店員さんが私の顔を見て、「どうぞ」と言って中に入れてくれた。私はカキ丼、Hさんは豚丼、Iさんは親子丼のそれぞれセット(かけそばが付く)を注文する。私はうどんで注文したのだが、昼間にうどんは全部はけてしまったそうだ。寒い日はあたたかいものが出るのだろう。


カキ丼(私)

 
豚丼(Hさん)                       親子丼(Iさん)

  6・7限はゼミ。前半は4年生のゼミ論中間報告(N君、Iさん、もう一人のIさん)。後半は学年で分かれて、4年生はゼミ論中間報告の続き(「8限」までかかったようである)。3年生はライフストーリー・インタビュー調査の進行状況と今後の予定(12月上旬に合宿)の確認。


本日のスイーツは3年生のTさんが調達してきたチョコレートのクッキー

  11時半、帰宅。一週間が終わった。『N響アワー』の再放送を聴きながら梅酒をオンザロックで。


11月22日(木) 晴れ

2012-11-23 01:22:00 | Weblog

   8時半、起床。鱈子の佃煮でお茶漬けの朝食(昨夜と同じなので写真は省略)。

   10時半に家を出て、大学へ。

   昼休みの時間、現代人間論系2年生のA君が研究室にやってくる。何か特定の用件があるわけではなく、私とおしゃべりをするためである。いただきもののクッキーと紅茶でもてなす。このクッキーは山吹町にある「le risa」(レリーサ)という洋菓子屋さんのものである。A君はうさぎの形をしたアーモンドクッキーを見て、「かわいいですね」と言ったが、ただかわいいだけのクッキーでないことは、一口かじるとすぐにわかる。徹底して素材にこだわった自然な風味が素晴らしい。

  昼食は「まい泉」のカツサンド。A君とおしゃべりを続けながら。A君は来年、私のゼミに入ることになったのだが、ライフストーリーインタビューのテーマについて「こういうのはどうでしょうか」と提言をしてくる。ずいぶんと積極的である。ふむ、ふむ、と聞いておく。

  3限は大学院の演習。

  授業の後、妻が研究室にやってくることになっている。「山口百恵似だけど見ていかないか」と院生たちに言うと、Oさんが「ご挨拶をさせていただいていいでしょうか」と真顔で言うので、とっとと帰ってもらう。ほどなくして妻からケータイに電話があり、いま早稲田の駅に着いて大学へ向かっているところだというので、門のところまで迎えに行く。しばらくして日生の人が来て、一時払い生涯保険の契約(私が契約者で妻が被保険者)をする。先日、私が契約者で私が被保険者の方の契約を交わしたのだが、今回は妻が被保険者なので、妻のサインも必要なのである(ノートパソコンの画面にタッチペンでサインをする)。

  一緒に帰る。途中、丸の内の「丸善」で本や文具を見る。リニューアルなった東京駅舎を観るのは妻は初めて。

  蒲田に着いて、時刻はまだ5時半だったが、「天味」で夕食をとることにする。自宅で天ぷらのときは、妻自身は揚げたてを食べることができない。なので妻は天ぷら屋のカウンターでの食事が好きである。かきあげ付の天ぷら定食を注文。塩で食べたり、天つゆで食べたり。どちらも美味しい。お好みで注文した牡蠣だけはレモン汁で。これが格別に美味しかった。

 
海老                                キス

 
穴子                                   舞茸

 
白魚                                   海老

 
牡蠣(お好み)                             隠元   


最後のかきあげはいつものように天丼にしてもらう


美味しかった ごちそうさま

  夕食が早いと、夜の時間がたっぷりとある。『孤独のグルメ』第7話(録画)を観ながら梅酒をオンザロックで。

 


11月21日(水) 晴れ

2012-11-22 09:58:36 | Weblog

  8時、起床。『ゴーイング・マイホーム』第6話(録画)を観ながら、カレー、トースト、牛乳の朝食。トースト半切れ、蜂蜜、紅茶を追加。旅先での朝食のように、ゆったり食事をすると、食べる量が増える。朝って、本当は、お腹が減っているのだということがわかる。  

  昨夜、某先生から共同研究への参加のお誘いのメールをいただいたが、一晩考えて、今回はご遠慮させていただきますとのメールを返す。2014年度に1年間の研究休暇を申請する予定で、そこでこれまでの研究の成果をまとめたいと考えている。来年はそのための準備にできるだけ時間を投下できるようシンプルな生活を心掛けたい。

  11時頃、家を出て、大学へ。

  神楽坂で途中下車して「SKIPA」で昼食をとる。日替わり定食(鶏肉団子の春雨煮がメイン)とチャイ。

  『梅花亭』と『亀井堂』でお八つとお土産を購入。

 

  2時から教授会。ぴったり3時間で、5時に終了。研究室の前まで来ると、中では3時から始まったゼミの学生のインタビュー調査がまだ続いている。おそらくあと1時間はかかるだろう。教員ロビーで一服してから、帰る。


蒲田駅のホームにて

  東急プラザの「海老家總本舗」で 鱈子の佃煮を購入。夕食のとき、ご飯を軽くお替りしてお茶漬けで食べる。これがうまいのである。お茶漬けってどうしてこんなに美味しいのであろう。

  夕食後、きたやまおさむ・よしもとばなな『幻滅と別れ話だけで終わらないライフストーリーの紡ぎ方』(朝日出版社)を読み始める。

  「 二〇〇九年、私にとって重要なミュージシャンが二人、亡くなりました。一人はマイケル・ジャクソン、もう一人は加藤和彦という無二の親友です。(中略)この二人にはとても重要な共通点があることに気づきました。それは、彼らがまるでこの世を劇場のように生きているのではないか、ということです。人の目にさらされながら、パフォーマンスを行なう彼らの人生そのものが、表舞台の上の演技のようになってしまっているのではないか、と。/マイケル本人の素顔、マイケルのこころはいったいどこへ行ったのか。私の加藤和彦のこころ、素顔はどこへ行ったんだ、と思いました。そう思っている私自身、今こうしてここに立っている私こそ、はたして本当の私なのだろうか、ただ人前で私を演じているピエロではないのか、そうであるとすれば、私は自分のこころをいったいどこに置いてきてしまったんだろうか、自分の素顔はどこにあるのか、と自問する思いでした。自分に向けたこうした問いかけを、マイケルにも加藤和彦にもしてみたかった。/こうして、マイケルを通じて加藤和彦という男の素顔、こころに迫りたいと考えていたのすが、奇しくも私が精神分析として一貫してつづけてきた問いかけと一致する問題ではないか、と思いいたったのです。」(12-13頁)

  最近の社会学的自己論では「多元的アイデンティティ」という概念が勢力を得てきていて、「本当の自分」という問いの立て方自体に問題がある(あらゆる社会関係の中でその表現されている「自分」はどれも「本当の自分」なのだと考える)のだと述べている。これに対して精神分析では無意識の中に「本当の自分」があるという考え方をする。無意識の中にあるのだから、簡単にはその正体がわからない。そのためあれこれの手法を使ってそれを可視化しようとするわけだ。一般の人にもこうした精神分析的自己論の考え方は広く浸透していて、「本当の自分」とは何だろうと自問して悪戦苦闘することになる。「多元的アイデンティティ」のアイデアは、そうした悪戦苦闘から人を解放してくれるが、その一方で、「本当に「本当の自分」というものはないのか?」という疑問がどうしても残ってしまうことになりがちである。「そうだよ。本当に『本当の自分』というものはないのだよ」と答えても、さらに、「「本当に『本当の自分』の自分というものはない」というのは本当なのかという疑問が残ってしまう。切りがないのである。それだけ精神分析的自己論は私たちの「私」の見方に強い影響を与えている。


11月20日(火) 晴れ

2012-11-21 02:20:40 | Weblog

  7時半、起床。コンビニにパンを買いに行って戻ってくると、玄関先になつが来ていた。最近のはるは隣のNさんの家の自動車の屋根の上にいることが多い。温かいのだろう。母になつが来ていることを言うと、鶏のささ身をちょっと茹でてあげるという。

 焼肉、トースト、紅茶の朝食。朝から肉だが、これは昨夜の豚シャブの残り。

  11時頃、家を出て、大学へ。

  午後の2つの演習で使う資料を印刷してから、研究室で昼食をとる。コンビニおにぎり2個(鮭と梅)。新しい湯飲みを下ろす。これまでの湯飲みより一回り大きい。小さい方が上品だが、食事のときは大きな方がいい。おにぎりが小さく見えるのはそのためである。蒲田の駅ビルの「たち吉」で購入した。

 

  3限は選択基礎演習。チームワークのしっかりした、よく準備されたグループ発表だった。

  4限は演習「ケーススタディの方法」。こちらもよく準備されたグループ発表だった。

  「maruharu」で一服。ベイクドチーズケーキとコーヒー。チーズケーキはレモン風味でしっとりした食感。美味しい。小振りなのもありがたい。6限の卒研指導のときに摘むサンドウィッチ(たまご)をテイクアウトする。

   卒研指導は2時間みっちりやる。

  9時過ぎに帰宅。食事のとき梅酒をオンザロックで。口当たりがよくて、美味しい。晩酌というほどのものではないが、食前酒みたいな感じで、これは癖になりそうだ。明日は授業がないので、気が楽である。