文化逍遥。

良質な文化の紹介。

国立演芸場 上席― 桃月庵 白酒『親子酒』

2011年03月09日 | 落語
 昨日(3/8)は、仕事が午前中で終わったので、久々に寄席に行くことが出来た。

Kokurituengeixzyou
 平日の昼席なので、すいているだろうと思ったが、意に反して団体客があって満席。仕方なく立ち見。国立だけあって立ち見は割引があって1400円。受け付けの人は公務員ですよ。そういえば以前、中入り後に入ろうと思って3時頃行ったら、受付のおねーちゃんに「もっと早く来てください」と言われたことがあったっけ。思わず寝っころがりそうになりましたよ。役所に謄本取りに来たんじゃないんだから、いちおう客なんだから、もう少し言い方があるでしょうが・・・と思いながらもあやまっちゃたんだけれども。まぁ、いいけど。
 
 さて肝心の落語。時間の都合で、中入りまでしか聞けなかったが、桃月庵 白酒(はくしゅ)の『親子酒』はいい出来だった。あの一席だけでも1400円の価値はあると思った。若手の真打だが、すでにベテランの風格があり、噺も仕種もうまくフラ(独特の味わい・おかしみ)がある。これからが大変だろうが、陰ながら応援したい噺家さんの一人だ。


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追悼 古今亭志ん五 師匠

2010年10月02日 | 落語
 九月二十八日、古今亭志ん五 師匠が亡くなった。六十一歳だった。
二十九日の朝刊の片隅に小さく訃報が掲載されていたが、芸のランクはとても高いものがあったと私は思っている。
大師匠である志ん生の芸風を受け継いだとぼけた人物描写が巧みで、ささやかな庶民生活の中の豊かさとおかしみを表現できる貴重な噺家さんだった。
2008年9月に上野の鈴本で『風呂敷』を聞いたのが私の見た最後の高座になった。これからという時に、かえすがえすも残念である。それにしても、噺家さんが名人と言われる域に達することの何と難しいことだろう。うまいと思う若手の噺家さんや芸人さん達はいくらでも見てきたが、芸に迷うのかいま少しのところで歩を進めることが出来なかったり、病にたおれてしまう。
 「長生きも芸のうち」とは、先代の桂文楽の言葉だったか。今一度、この言葉の意味を噛みしめてみたい。


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