すぐれたピアニスト・ヴォーカリストであり、すぐれた詩人でもあるチャンピオン・ジャック・デュプリー。生年は諸説あるが、下のLP『Blues From The Gutter』の中で「・・俺は1910年7月4日にニューオリンズで生まれた・・」と、歌っているので、その頃に生まれたのだろう。亡くなったのは、1992年1月21日で、ドイツのハノーヴァーだった。
若い頃は、ボクサーをしていたと言われていて、そのため「チャンピオン」との異名を得ている。が、1960年頃にヨーロッパ移住後の演奏を聴くと、荒々しいボクサーのイメージとは裏腹に、繊細さを強く感じるミュージシャンだ。スイスからデンマーク、イギリス、スウェーデンと移り住み、終焉の地ドイツへ移ったのは1971年の6月らしい。本来、この人の持っていた繊細な心には、場末のバレルハウスで荒々しいピアノを弾くイメージとは合わず、また、アメリカの差別的な環境も重荷だったのだろう。時代を考えると、公民権運動が始まろうとする中で、反動とも言える動きが相次ぎ、活動家が暗殺されてゆく頃だった。それに比べヨーロッパでは、一人のすぐれたミュージシャンとして扱ってくれる状況だったと考えられる。録音された演奏を聴いても、ヨーロッパに移住してからのものの方がテーマを広く取り、本音をそのまま歌い上げている気がする。そのあたりが、評価が分かれるところでもあるのだろう。
Atlantic原盤LP8019『Blues From The Gutter』。ヨーロッパに移住する前の1958年の録音。彼の残した多くの録音の中で、特に評価が高いもの。
1979年3月31日に、ドイツでのライブを収録したLP。Free BirdというレーベルからのLPでFLY10。向かって右側のギタリストは、ヨーロッパ移住後にサポートを務めたケン・レンディングと思われる。必要以上に前に出ることなく、自然にデュプリーを引き立てている。サイドをつとめるギタリストの演奏としては模範的とも言え、「参考になるなあ」と、感じる。
こちらは、1970年11月、シカゴのブルースマン達がヨーロッパを訪れたツアーの際に、デュプリーが合流して演奏しているドイツでのライブ盤。L+R Recordsというドイツのレーベルの2枚組LPでLS42.021。下の画像は、LPの裏面。
ベースにウィリー・ディクソン、ドラムスにクリフトン・ジェームス。3曲だが、この時の演奏は本当に素晴らしい。アメリカでバレルハウス・ピアノと言われていたころの荒々しいイメージとは打って変わり、とても洗練されたピアノとヴォーカルを聴ける。
こちらは、LP内の写真。下段、左から2人目がデュプリー。
若い頃は、ボクサーをしていたと言われていて、そのため「チャンピオン」との異名を得ている。が、1960年頃にヨーロッパ移住後の演奏を聴くと、荒々しいボクサーのイメージとは裏腹に、繊細さを強く感じるミュージシャンだ。スイスからデンマーク、イギリス、スウェーデンと移り住み、終焉の地ドイツへ移ったのは1971年の6月らしい。本来、この人の持っていた繊細な心には、場末のバレルハウスで荒々しいピアノを弾くイメージとは合わず、また、アメリカの差別的な環境も重荷だったのだろう。時代を考えると、公民権運動が始まろうとする中で、反動とも言える動きが相次ぎ、活動家が暗殺されてゆく頃だった。それに比べヨーロッパでは、一人のすぐれたミュージシャンとして扱ってくれる状況だったと考えられる。録音された演奏を聴いても、ヨーロッパに移住してからのものの方がテーマを広く取り、本音をそのまま歌い上げている気がする。そのあたりが、評価が分かれるところでもあるのだろう。
Atlantic原盤LP8019『Blues From The Gutter』。ヨーロッパに移住する前の1958年の録音。彼の残した多くの録音の中で、特に評価が高いもの。
1979年3月31日に、ドイツでのライブを収録したLP。Free BirdというレーベルからのLPでFLY10。向かって右側のギタリストは、ヨーロッパ移住後にサポートを務めたケン・レンディングと思われる。必要以上に前に出ることなく、自然にデュプリーを引き立てている。サイドをつとめるギタリストの演奏としては模範的とも言え、「参考になるなあ」と、感じる。
こちらは、1970年11月、シカゴのブルースマン達がヨーロッパを訪れたツアーの際に、デュプリーが合流して演奏しているドイツでのライブ盤。L+R Recordsというドイツのレーベルの2枚組LPでLS42.021。下の画像は、LPの裏面。
ベースにウィリー・ディクソン、ドラムスにクリフトン・ジェームス。3曲だが、この時の演奏は本当に素晴らしい。アメリカでバレルハウス・ピアノと言われていたころの荒々しいイメージとは打って変わり、とても洗練されたピアノとヴォーカルを聴ける。
こちらは、LP内の写真。下段、左から2人目がデュプリー。