文化逍遥。

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わたしのレコード棚―ブルース39、Papa Charlie Jackson

2017年09月06日 | わたしのレコード棚
 パパ・チャーリー・ジャクソンは、6弦のバンジョーを使うブルースマン。


 バイオグラフのLP、BLP-12042。1925―28年、シカゴでパラマウントに吹き込んだ14曲を収録。

 生まれは、1890年頃ニューオリンズと云われている。亡くなったのは、1938年頃シカゴだったらしい。要するに、正確なところはわかっていない。使っているのはギター・バンジョーというもので、写真では見にくいが5弦のバンジョーとは異なり、弦の配列はギターと同じく低音弦から順になっている。5弦バンジョーは、最高音(普通はG音)が一番上、と云うか、握った時に左手の親指に近い方にくる。写真をよく見ると、ピックガードのようなものも写っている。この楽器を使って録音したのは、他にゲーリー・デイヴィスなどがいるが、楽器の特性を生かして本格的に使いこなしているのはこのパパ・チャーリー・ジャクソンのみ、と云えるのではないだろうか。

 かなり広い範囲で活動したらしく、マ・レイニーと録音(下のCD)しているし、ブラインド・ブレイクとも演奏活動を共にしていたらしい。要は、ギター・バンジョーという音量がある楽器を駆使してエンターテイナーとして生きた人だった。1930年代は、シカゴで街角やクラブ、パーティーなどで演奏し、一部の資料によるとビッグ・ビル・ブルーンジーにギターを教えた事もあるという。演奏スタイルは、かなり多様性に富んでいて、楽器の特性を利用してのカット奏法など、ギターブルースでは出せない雰囲気を醸し出している。アメリカでの初期ショービジネスの音を今に伝える貴重な録音と云えるだろう。


 P-ヴァインのCD『Ma Rainey』。わたしが『ブルース&ソウル レコーズ』にレヴューを書いたので、その時にP-ヴァインから貰ったもの。この中に、1928年頃シカゴの録音で、マ・レイニーとパパ・チャーリー・ジャクソンの掛け合いのデュエット「Ma And Pa Poorhouse Blues」が入っている。

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