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わたしのレコード棚ーブルース83 Lonesome Sundown

2020年02月25日 | わたしのレコード棚
 ライトニン・スリムの頁でも少し触れたロンサム・サンダウンLonesome Sundown。本名は、コーネリアス・グリーン(Cornelius Green)。1928年にルイジアナ州Donardsonvilleで生まれ、1995年4月に亡くなっている。



 上のCDは、1956-64にかけてエクセロに吹き込まれた18曲を収録しており、P-ヴァインから発売されているもの。独特のギター奏法と絞り出すような声で、スリム・ハーポやライトニン・スリムと共に、ルイジアナのレーベルであるエクセロ(Excello)を代表するミュージシャンの一人だ。エクセロには、本名ではなく独特の芸名を持つ人が多いが、このロンサム・サンダウン(淋しい夕暮れ)というのはまるで演歌の芸人みたいにも思えるほどのふてぶてしさ、と言うか「そこまでするか」と感じるほどの芸名だ。おそらく、エクセロがプロデュースする時の方針のようなものもあったのだろう。
 そのロンサム・サンダウンは、1960年代終わりころには音楽から遠ざかり、本名のコーネリアス・グリーンに戻り聖職者となった。おそらく、世俗の中でどっぷりと浸かったミュージシャンであることに疲れたのではないかと、個人的には推測している。実際このCDなどを聴くと、ルイジアナ特有の「Swamp Soul」と言われる、ある意味軽さを持ったブルースで、彼はもっと人間本来の深みを持った活動をしたかったのではないだろうか。かつての、イッシュマン・ブレイシーやスキップ・ジェイムスがそうであったように。
 その後、1977年になって一時音楽活動を再開。アリゲーターレーベルなどからレコードを出したりするが、商業的には成功しないままルイジアナで建設作業などしていたようである。彼は、若い頃大工の修行をしたことがあるらしい。

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