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わたしのレコード棚ーブルース127 Robert Nighthawk

2021年04月08日 | わたしのレコード棚
 ロバート・ナイトホーク(Robert Nighthawk)は、本名ロバート・リー・マッカラム(Robert Lee McCullum)。1909年11月30日にアーカンソー州ヘレナで生まれ、1967年11月5日に同地で亡くなっている。ただし、資料によっては1967年の10月に没としているものもある。わたしのレコード棚ーブルース126で取り上げたヒューストン・スタックハウスの従兄弟ともいわれている。
 この人も音楽的才能に恵まれていた人で、第二次世界大戦以前はロバート・リー・マッコイ名で主にハーモニカを演奏して、ギターもベースも弾けた。スライド奏法は、後にヒューストン・スタックハウスから教わったらしい。


 ソニーレコードのCDで、SRCD5679。「Big Jo and His Washboard Band」でハーモニカ(ロバート・リー・マッコイ名)を担当、1940年録音の4曲を収録。このバンドのビッグ・ジョー(Big Jo)とはジョー・マッコイ(Jo McCoy)のことである。


 同CD内にある写真。若い頃のもののようだ。


 ARHOOLIEレーベルのCD402。ヒューストン・スタックハウスが4曲入っており、ナイトホークはバックでベースやギターを弾いている。


 スタックハウスと共に録音したTESTAMENTレーベルのLP2215。ヴォーカルとエレキギターで、シカゴで1964年5月の3曲、同10月の6曲。さらに、1967年8月のミシシッピー州Dundeeの録音ではスタックハウスのバックでギターを弾いている。そして、この1967年の秋に急死する。
 1964年5月シカゴ録音では、ハーモニカがリトル・ウォルター(Little Walter Jacobs)で、Jonny Youngがギターでバッキングしているトリオ演奏になっている。さらに、同年10月では、ハーモニカがJohn Wrencherに変わっている。
 ここで聴けるナイトホークの演奏は、スライド奏法でも指弾きでも、完全にシカゴブルースのサウンドになっている。スタックハウスがあくまでトミー・ジョンソンの曲を中心に演奏したのとは、その点ではかなり異なっている。レコード会社からの要請もあったのかもしれないが、ナイトホークは自分なりの演奏を試みていたようにも感じられる。
 ナイトホークの演奏を手本にして練習に励んだロックのギターリストも多いらしい。また1964年に、シカゴのマックスウェル・ストリートでライブ収録された『Live On Maxwell Street 1964』は、ライブ盤の傑作と評価するブルースファンも多い。残念ながら、今は入手しにくく我が家にも無い。

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