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わたしのレコード棚ーブルース135 Richard "Rabbit" Brown

2021年06月07日 | わたしのレコード棚
 リチャード‟ラビット”ブラウン(Richard "Rabbit" Brown)に関しても、詳しいことはわかっていない。ウィキペディアによると、1880年頃の生まれで、1937年頃に亡くなったらしい。主にルイジアナ州のニューオリンズなどでソングスターとして音楽活動をしていたという。ニックネームの"Rabbit"(うさぎ)は、体が小さい人だったことで、ついたらしい。
 音楽的には、ブルースというより民俗音楽という意味での「フォークソング」に近い。あるいは、ブルースという形式が確立する以前の「プリ・ブルース」とも言える。個人的には、アイリッシュ音楽のリズムの取り方に近いものも感じる。

 1927年3月に、ルイジアナ州で6曲をヴィクターがフィールドレコーディングしている。その内の1曲は発売されず行方不明になっているので、現在聴くことが出来るのは5曲だけだ。


 国内盤P-VainのCD『キング・オブ・ザ・ブルース4』でジャケットの写真に写っているミシシッピー・ジョン・ハートがメインだが、ブラウンの5曲とハムボン・ウィリー・ニューバーンの6曲も入っている。わたしも知らなかったのだが、ウィキペディアによると、ブラウンの「James Alley Blues」はボブ・ディランがカヴァーしている、とある。

 タイタニック号の沈没を歌った「Sinking Of The Titanic」という時事的な曲もあり、情報源が少なかった時代にミュージシャンが歌詞の中でニュースを発信して、ある種のメディアとしての役割を担っていたことを物語っている。日本でも、津軽民謡の「鈴木主水(もんど)」なども、まだメディアが乏しかった時代に、それと似た役割を負っていたのだった。

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