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わたしのレコード棚ーブルース138 Sam Collins

2021年06月17日 | わたしのレコード棚
 サム・コリンズ(Sam Collins)は、情緒に富んだスライドギターと少しファルセットが掛かったヴォーカルでCrying Sam Collins(泣きのサム・コリンズ)とも呼ばれる。また、1920年代から30年代にかけて複数のレーベルに録音を残しており、その為か別名を使っている。ジム・フォスター(Jim Foster)、あるいはソルティー・ドッグ・サム、という芸名がそれだ。その割には、写真は1枚も残っておらず、詳しい資料も乏しい。下のCDの解説によると、リサーチャーのゲイル・ディーン・ウォードロウという人の調査で、生まれは1887年8月11日ルイジアナ州、亡くなったのは1949年10月20日シカゴだったという。ロバート・サンテリ著『The Big Book Of Blues』も同じ説だ。

 同様に『The Big Book Of Blues』やCDの解説などを参照すると、育ったのはミシシッピ州のマッコム(McComb)という所で、そこでミュージシャンとしての修行を重ねて音楽で稼げるようになっていったらしい。時には、キング・ソロモン・ヒルと共に演奏をすることもあったという。その後、1930年代にシカゴへ移動したらしい。


 国内盤P-VainのCD、PCD2431。「キング・オブ・ザ・ブルース」シリーズ11。解説は、小出斉氏。1927年から1931年までのカントリー・ブルース22曲を収録。ただし、1927年12月のリッチモンドでの録音2曲では、コリンズはギター演奏だけで、ヴォーカルはJhon D Foxとなっている。

 演奏スタイルは結構多様で、スライド奏法ではテキサス風のナイフスライドの影響が感じられ、「Midnight Special」のようなルイジアナのレッド・ベター風の曲もあるかと思えば、ゴスペルナンバーも歌い上げている。結構、器用で研究熱心なひとだったのではないだろうか。せめて、写真の1枚くらいは残して欲しかった。

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