King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

罅と欠けの向こう側

2015年11月10日 11時11分11秒 | 珈琲
日本の美意識というのが、本当に海外の人達に
理解されているのかという気もするこの頃の
海外客の増加と何かというと爆買いのニュースの
映像です。

陶器と茶の湯にしても皆中国から伝わったもので、
日本に現像する名器は唐物といわれる中国や韓国の
ものが多くあります。

しかし、日本の陶器はそれからどう変わったかは
世界に例をみない日本人の発想の妙であり、世界観
であり、美意識であると思います。

抽象絵画や現代抽象彫刻のできる前から、日本人には
その美意識が備わっていたのです。

ブラジルサントスNO2.の特長は全ての味が突出してない
平衡したバランスの良さです。

完璧な茶碗にあえて日々を入れる日本人の美意識。

それでは、これに罅を入れたものはどんな味か。

そういう想像をしたことはないでしょうか。

最近、当店でもマンデリン人気が高く、普段は焼いて
ないのですが、あると皆買って行きます。

一度でも当店のマンデリンを飲まれて知っている人には
マンデリンもありますといってお売りしますか、最初から
マンデリンが好きとか酸っぱいコーヒーがきらいという
話をされる方にはお勧めしません。

ニカラグアやエルサルバドルの中米産豆の整った味も
全てが整いそれがリズムとなって波状的に攻めて
くる感じです。

さて、それではそんな完璧な味に罅を入れるとしたら
どうなるのか。

それはただの不調和なものなのか。

インドネシアのマンデリンには多くの上位豆があります。

スペシャルティグレードでこれに極まるとしたら、
トラジャやゴールドトップマンデリンでしょう。

しかし、マンデリンに感じたものとは違うものに結実
し、完成しているともいえます。

ところが、東ティモールはまた違った方向性というか
まるで違った面白さがあるのです。

罅とは違うけれど味から想像され連想されるものを持って
いるのです。

つまり行き止まりでなく飲んだことでたどり着けそうな
そんなビジョンがひらめくそんな珈琲なのです。

昨年の夏この珈琲には随分たすけられた思いがあります。

これはこれから深まる秋冬にまた活躍してくれそうです。

結論と過程の話のようなこの罅の話。

東ティモールとともに深めていきます。
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