King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

穏やかな気持ちに

2022年10月29日 11時54分53秒 | 珈琲
久しぶりのお買い物と医者の受診と様々な思いが去来するなか、やっと『ドライブマイカー』をみました。各賞を受賞し取り分け海外での評価が高かったのも原作が村上春樹だったからで、映画として意味不明などうせ芸術性を全面に出した文芸作品なんだろうとバカにしていました。海外の人は村上春樹だから超人がでるわけでもなく、ピストルで打ち合ったり殺し合わない事件も起きない静かな映画に芸術だからというバイアスをかけてとにかく賞をあげとけ私達は村上作品を理解したという印にという作品だとおもっていました。しかし、見てビツクリしたのはよくぞここまで映像化したということです。映像という視覚化させることで現実と映画内演劇の効果とか主人公とドライバーの人生が交錯して更に演劇で演じる役の台詞に現れる世界観と見事に計算され作られているのです。お前の故郷見せる気はあるか?という台詞も印象に残ります。文字で見たらただ突拍子もない場違いな言葉で小説だから出た言葉にすぎないのにその後の展開から主人公やドライバーの心の変化を予測させ共感させる、もしくは同時体験させるものなのです。文学好き、演劇好きならゴトーを待ちながらやワーニャ伯父さんなど定番過ぎて手垢のついたものですが、広島で行われた演劇祭での映画内演劇は韓国語やベトナム語や手話まで飛び出し、言葉は関係なく伝わるものがあることを知らしめるところなど完全に観る側を超越しています。完全にただの映像化でなく見事に文学的感動を映像から味会わせてもらったそんなやられた感じがしました。選択肢は二つありますという主宰者の言葉にそれどころじゃない演出家の出た言葉と行動に結末は予想できるのですがしかし劇中劇で見せられる世界はまさに主人公が体感し原作やワーニャ伯父さんの主題そのものなのです。それをさせたのが時間と空間と人生を交錯させた行為ドライブマイカーだったのです。まさかこうまで共感や感動するとは思わなかったのでそのできのよさにはビックリでした。さてそんな感情のざわめきのなか秋は静かに珈琲の美味しさが染み入る季節です。こんなときこそ基本中の基本、ブラジルサントスNO2を飲んでみてください。すっかり値上がりしてしまいましたがこんなときこそ平衡感と普遍な美味しさを感じていただければと思います。高くなったとはいえ200g1000円以下で買えるのでお手軽です。日に日に寒さが増す季節にブラジルサントスとスペシャルティのストレートを揃えるのが通であり、楽しみです。ケニア、タンザニアのスペシャルティもご用意しています。お楽しみください。

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