上野の純喫茶をはしごした後は、講演会までの間にまだ時間があったので、
皇居にある桃華楽堂へ。
桃華楽堂は、昭和41年、今井兼次設計により、香淳皇后の還暦記念に建てられた音楽堂。
八角体の建物の屋根は花びらのような形で、鉄仙をかたどったものだそう。
この建物の外壁はモザイクタイルで覆われている。
各面は、様々なモチーフと共に羽ばたく鳥をイメージしていて、
参観ガイドによると、日本女性の優雅でおおらかな理想像を描き出したものだとか。
建物の前方には柵がしてあって、立入禁止の看板が出ていて近寄れず。
遠目で見ると、着物の反物のようなものや櫛やかんざし、鏡、
そして楽器のバイオリンなどが見える。
モザイクの陶片は、有田焼や信楽焼などが用いられているという。
茶色のタイルに同化してるけど、急須や湯呑などのお茶セットの図柄もあったりと、細かい描写が。
2階の正面には青空と太陽モチーフのモザイクが描かれていて、
箱に入った人形のようなものが置かれている。
拡大するとお雛様のようで、鬼瓦の代わりに置かれたものだそう。
バルコニーのフェンスも松葉か?扇子か?瀟洒なデザイン。
こちらの面は梅の花がモチーフのようで、様々な陶片と共に丸い急須の蓋のようなやきものでかたどられた大きな梅の花を中心にピンク色の梅の花が散りばめられている。
下部には、松のモチーフも。
建物の側面には小さな丸窓もあって、それぞれステンドグラスが入れられいてるよう。
その下には帯状にモザイクタイルが貼られていた。
木々の間から。
細部が楽しいのに、近寄って観れないのは残念すぎる。
外観ぐらい自由に見せてくれんかな~?!
その後やってきたのは慶応義塾大学三田キャンパス。
大正15年にゴシック様式で建てられた塾監局。
義塾の事務全般を担う役割を持つ。
スクラッチタイル貼りの外観に花の形のレリーフ。
スクラッチタイルの良い風合い。
こちらのなまこ壁だが洋風の造りの建物は、
明治8年に開館した日本最初の三田演説館。
創立者福澤諭吉も日本で初めてこちらで演説を行ったという。
そして、慶應義塾図書館旧館。
慶應義塾創立50周年を記念して、明治45年、
曾禰達蔵・中條精一郎の設計により建てられたゴシック様式の赤煉瓦造りの図書館。
現在は、福澤諭吉記念慶應義塾史展示館となっている。
玄関ホールには大理石の三連尖塔アーチは重厚感たっぷり。
階段ホールには、大正4年に小川三知により制作されたステンドグラスが
昭和20年に戦火により失われ、その後昭和49年に復元されたもの。
慶應義塾の建学の精神「ペンは剣よりも強し」の構図が描かれている。
階段の踊り場から。
この照明も今まで見たことないようなタイプの凝ったものだなあ。
2階の展示室。
部屋全体はきれいに修復されていたが、照明は当時のものかな?
このアール・デコ風の照明も素敵。
横から。
1階にはカフェ八角塔があり、一般客もお茶することができるのだけど、
この後の講演会まで時間があまりなかったので、今回はスルー。
そして、ここから徒歩十数分の講演会会場、リスト・ハンガリー文化センターへ向かったのだった。