蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

北里柴三郎  (bon)

2020-06-14 | 日々雑感、散策、旅行

  新型コロナウイルスで初めて感染症の恐ろしさを身近に受け、自身は巣ごもり
しているうちに
とうとう夏に入ろうとしています。

 これまでの主な感染症について改めてその歴史を当ブログでも概観しましたが、
その(1)に、ペスト菌の発見で、北里柴三郎の名前が挙がっていました。
昨日が命日でした。
 昭和6年(1931年)6月13日、脳溢血により78年の生涯を閉じ
たのです。
 日本の医学者・細菌学者・教育者・実業家で、ペスト菌の発見、破傷風の治療法
の開発など感染症医学の発展に貢献し「日本の細菌学の父」として知られているの
です。

        (ウイキペディアより)

 熊本阿蘇郡に、庄屋の息子として生まれ、8歳ころより親せきに預けられ、厳しく
勉学に励み、熊本医学校に入学した頃、オランダの軍医である教師から医学を教わ
りその道に目覚めたとあります。

 1874年(明治9年)に東京医学校(現、東京大学医学部)へ進学しましたが、
『在学中よく教授の論文に口を出していた為、大学側と仲が悪く、何度も留年した。』
そうですが、『在学中に「医者の使命は病気を予防することにある」と確信するに
至り、予防医学を生涯の仕事とする決意をし、「医道論」を書いた。』とあり、
彼の進路はすでに決定していたのですね。 卒業後内務省衛生局に入局しました。

 1886年(明治19年、32歳)よりドイツのベルリン大学に留学し、そこで、ロベル
ト・コッホに師事することとなり、大きな業績を上げました。破傷風菌だけを取り
出す培養法に成功し、世界の医学会を驚嘆させる成果とともに、血清療法という
画期的な手法を開発し、それをジフテリアにも応用するなどの大きな業績を上げて
います。

 6年の留学を終えて帰国しますが、留学中に「脚気の原因を細菌とする」東大教授
に「細菌ではない」と批判したことなどから、母校東大医学部と対立する形となり、
東大のみならず、彼を研究者として受け入れるところはどこもなく、まさに孤立無
援の状態となっていたそうです。
 そんな時、福沢諭吉の全面協力、多大な資金援助により北里柴三郎の為の「私立
伝染病研究所」が設立されることとなったのです。やはり見る人は見ているのですね。

 その後この研究所は、「国立伝染病研究所」となり、伝染病予防と細菌学の研究
に取り組み、結核予防や日本初の結核専門病院設立に尽力し、さらにそのころ香港
で蔓延していたペスト菌を発見するという大きな業績を上げたのです。


 国立伝染病研究所は、突如、国による組織改編があり、東大医学部の下部組織と
なることが決まり、北里は、東大との反発から、即座に辞職し、新たに私費を投じ
て「私立北里研究所」(現・学校法人北里研究所、北里大学の母体)を設立したの
です。そこで新たに、狂犬病、インフルエンザ、赤痢、発疹チフスなどの血清開発
に取り組んだそうです。

 福沢諭吉の長年にわたる恩義に報いるため、慶應義塾大学医学部を創設して、
初代医学部長、付属病院長となったそうです。

       北里研究所本館(大正時代のころ)
        
                   (北里記念館HPより)       

 また明治以降多くの医師会が設立されていましたが、これを全国規模の医師会と
して、1917年(大正6年)に北里柴三郎が初代会長となって、「大日本医師会」が
誕生しています。 その後、医師法に基づく日本医師会となり、初代会長として
その運営にあたったとあります。

 北里柴三郎という人は、ネットなどから推測しますと、どちらかというと頑固っ
ぽい、しかし筋のぶれない気骨のしっかりとした優れた努力家であったと思いまし
た。 大勢の若手医師や学者を輩出し、世界的な野口英世もその一人だそうです。

 数々の業績を残し、北里大学など 6つのキャンパスに学生1万人が学んでいると
いいます。
 名前などは、早くから知っていましたが、このように振り返って改めて素晴ら
しい人だったんですね。

      北里研究所病院(東京白金)
       (ネット画像より)

 テルモの前身、赤線検温器株式会社の設立に大きな力となり、良質な体温計を
作る会社、テルモ創設発起人の一人でもあったのですね。

 また、2024年刷新が予定されている新紙幣のデザインに千円札に北里柴三郎の
肖像画が採用されています。

       (BIZコンパスより)

 

 

 

 Kitasatoは、“s”とサインしていますが、ドイツ語読みで発音が “きたざと”
となるようにしたのだそうです。
 

 

 

 

コメント
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