6月もいよいよ終わります。 コロナのトンネルに入ったままなかなか
出られないうちにソロソロ猛暑の空間に移ってしまいます。
どうぞ梅雨明け間近の豪雨などがありませんように・・。
藤井聡太七段は快進撃中です。2つのタイトル挑戦!
不思議な日本語、その3 です。
・ろくでなし
「ろく」って一体何なのでしょうか。
「ろくでなし」の「ろく」は、「碌」と書かれることがありますが、これは当て
字で、正しくは「陸」から来ているというのです。「陸」は「ろく」とも読み、
陸は地平線が平らに広がっていることから、物や性格が真っ直ぐで正しいことを
意味しているのだとか。
その陸が否定されて、「陸でなし」となり、性格が曲がった人という意味から、
現在使われている「役に立たない人」「まともでない人」という意味になったの
だそうです。役立たず、どうしようもない者をののしって言う場合があります。
越路吹雪が歌って広く知られた、シャンソン「ろくでなし」(フランス語で
Mauvais Garçon)は、ベルギーの歌手サルヴァトール・アダモの楽曲で、1964年
に発表されているのです。 アダモといえば、雪が降る、サントワマミーなどが
思いだされます。 原題のフランス語は、「不良少年」の意味だそうですが、
訳詞者の岩谷時子がこれを「ろくでなし」としたのだそうです。
インパクトもあり、やはり大したもんですね。不良少年・・なんて、面白くも
なんともないですよね。
余談ですが、「ひとでなし」は人の道から外れた行いをする者、「ろくでなし」
は常識から外れた行いをする者を表しているんですね。また、「ろくでもない」
の ろく も陸で、何の値打ちもない、つまらないの意味ですね。「ろくでもない
男に夢中になる」。
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・ちゃっかり
意味は、「自分の利益になるように、抜け目なく行動するさま」を表していま
すが、いったいどういうところから、きているのでしょう。
明確にはわからないようですが、「ちゃんと」と同じ由来を持っていると考え
られているとあり、ここから「しっかりと行動する」→「抜け目ない」という意
味に変化したと考えられているとか。そして、「ちゃんと」というのは「ちょう
ど」が転じたものだとしているのです。ちょっと飛び過ぎているような感じでも
あります。
一方で、「ちゃ」には「茶々を入れる」や「茶化す」で出てくるような「ふざ
ける」という意味をもたせる効果があり、実際、ある地域の方言では「ふざける」
という意味で「ちゃる」という表現があるようで、このような意味合いも含めて、
「ふざけているようで、抜け目がない」⇒「ちゃっかり」という言葉が生まれた
のかもしれない、なんてありました。
・ふしだら
最近ではあまり使わなくなった感じもあります。「ふしだら」は、だらしがな
いことや、品行が悪いという意味ですが、一体どこから来た言葉なのでしょうか。
「ふしだら」は、サンスクリット語「sutra」を音写した「修多羅」が語源だと
ありました。
「多羅葉(たらよう)」という葉に傷をつけて教法を書き(葉を傷つけると黒く
なっていつまでも残る)、この葉に穴を開け、紐を通して保存していたというの
です。 で、この紐や糸のことを「修多羅」といって、「整理されている」「秩
序よく束ねる」ことを意味していたとあります。
この「修多羅」が音転訛して「しだら」となり、それに否定の「不」をつけて
「ふしだら」になったのだそうです。 言葉の割には、難しいことから来ている
のですね。
・張本人
辞書には、①その事件を起こすそもそもの原因となった人。②悪事などのたく
らみをした首謀者。かしら。首領。ちょうほん。 とあります。
悪事などの企みをした首謀者のことを「張本人」と言いますが、ではなぜこう
呼ぶのでしょうか?
「張本人(ちょうほんにん)」は、「張 + 本人」と区切るのではなく、「張本 +
人」と分けるのだそうです。 で、この「張本」というのは、前もって事件の”本”
を”張り”めぐらせることを言うのだそうで、ここでいう「本」とは、「原因」
「根本」「伏線」といったような意味で、そこから、「事件の伏線や原因を作っ
た人物」ということで、「張本人」と呼ぶようになったとあります。
最近テレビで、名前を取り上げている番組がありますが、「張本」(はりもと)
という人名は、全国順位は 7252位で、およそ1200人くらいいるそうです。
野球の張本や卓球の張本・・。
・くびったけ
「君は彼女にくびったけ」、などと言います。 物事に深く心を奪われ夢中に
なっている様、特に異性にすっかり惚れ込んでいる様を「くびったけ」と表現す
るとあります。漢字で書くと「首っ丈」。
意味は足のつま先から顎までの高さのこと。 つまり、首っ丈までドップリ水
に浸かると、これはかなり危険。これ以上水位が上がると溺死するかもしれない。
このような説明から、“恋にドップリ浸り、相手に溺れかねない” 状態を
くびったけ と呼ぶようになったとあります。本当に溺れてしまわないよう、お気
をつけましょう。 傘寿の人にはもう関係ないかも・・。
はまり込んだり、夢中になるさまを「首までどっぷり浸かる」ということから
ですが、その昔、上方では「くびだけ」と言っていたそうで、「くびったけ」の
形は、後に江戸を中心に用いられるようになったとあります。その他、江戸では
「くびっきり」もあるようです。
梅雨空に咲くベランダ花置きのハイビスカス
越路吹雪 ろくでなし ラストダンスは私に