何のことか? 新聞に小さな囲みにこの字句があり、はて? と思いながら指示
されたページを見ると、微アルコール飲料、つまり1%以下の低アルコールビール
のことでした。
ネットも含めて、記事を読み進めると近年は飲酒の量が減っているという。
確かに新型コロナの影響で、飲み処などは営業自粛が続いたり、サラリーマンも家路
を急いでいるからそうかもしれませんが、事はもう少し以前からの傾向だそうです。
(ネット画像より
厚労省のページに酒類全体の消費傾向が述べられていました。『近年は高齢化の
進展もあり頭打ちあるいは低下傾向となっており、成人一人当たりのアルコール消
費量でみると平成4年度の101.8ℓをピークに78.2ℓ(2019年度)まで減少してきてい
ます。また酒類販売の内訳をみても、(1)第3のビール等の低価格(≒低課税額)
酒類の増加、(2)低アルコール飲料の増大とウィスキー、清酒等の高アルコール
飲料の大幅な減少がみられています』とあります。
酒類販売量推移 (厚労省HPより)
(ビールは最下段の青色、黄色は酎ハイなどのリキュール)
また、週に3回以上飲酒する習慣飲酒者は、男性では、平成元(1989)年の51.5%
に比べ、令和元(2019)年では33.9%に大きく減少しているそうです。 女性では
同期間で6.3%から8.8%と逆にやや増加しているとありました。
年代別習慣飲酒率(男性、平成元年~令和元年)(厚労省HPより)
(約30年間で、20代から50代の飲酒が大幅に減少しています。)
経産省では、課税数量の推移から、酒類全体では、10年前の2008年度と比べると
約6%低下しているとあり、特にこの10年間でビールや発泡酒、清酒、焼酎が低下
していると指摘しています。 上のグラフから、ビールの落ち込みが激しいですね。
新聞の記事にも書かれていますが、健康志向の傾向のほか「あえて飲まない」と
いう若者が増えているのだそうです。 イギリスの作家の「ソバ―キュリアス」
(ソバ―:しらふの、キュリアス:好奇心の強い)という言葉の影響もあり、欧米
ではお酒を飲まないことを選択する生活スタイルが若者を中心に定着しつつあるそ
うで、日本でも関心が高まっているとあります。
私らが若い頃は、煙草は止めても、酒は止められない・・とか、酒が飲めないな
んて生きてる意味がない‥そんな言葉も聞かれていたようでした。時代が代われば
嗜好も変わるのですね。
ネット記事(Bloomberg)にありました。『国内で飲酒可能な年齢ながら日常的な
飲酒習慣がない層の8割にあたる約6000万人の開拓を目指し、ビール各社はアルコ
ール度数が1%以下の微アルコール飲料を相次いで投入している。』 そして、
『飲酒可能な20~60代の人口はおよそ8000万人と推定されるが、そのうち酒類メー
カー側はこれまで日常的な飲酒習慣のある2000万人を対象に商売をしてきた。』と
いっています。
なるほど、だから戦略を180度変更して、日常的に飲酒習慣のなかった層にター
ゲットを当てて、微アルやノンアルを製品化しているのですね。
ノンアルコールビール(ノンアル)は、以前からありましたが、これは、車の運転
などで「飲みたいけれど飲めない」人向きだとばかり思っていましたが、最近では、
風味も格段に良くなった製品が発売されているそうです。
アサヒビールから、昨年6月に発売された『ビアリー』は、アルコール度数が僅か
0.5%だそうです。ビアリーを含むビアル飲料の売り上げは、昨年12月で前年の27%増
だそうです。また、同社はハイボール風の「ハイボリー」を販売し、売り上げ増に
寄与したとあります。
アサヒの ビアリーとハイボリ―
(ネット画像より)
サッポロビールからは、0.7%の『ザ・ドラフティ』生ビールが発売され、ノン
アルでは、メルシャンの『モクバル』、エルビーの『モクテル』などが発売されて
いるそうです。
この傾向は海外も同様で、バドワイザーやコロナビールのメーカーは25年までに
世界で販売するビール販売数量の20%をノンおよびビアルビールにすると発表して
いるようです。
まるきり巣ごもりで、お酒といえば、昔ながらの スーパードライかエビス、日
本酒、ワイン、たまにハイボールで過ごし、世の中の流れには馴染んでいませんで
した。
三好鉄生 すごい男の唄