先日(8月5日)読売新聞朝刊1面最下段の広告蘭は、「心の平安を求
めて仏教関連書特集」として、仏教・精神関連の書物の広告が並んで
いました。
普段あまり広告などに目が留まることは少ないのですが、なぜかこの
時、この広告蘭を注視してしまいました。
どの様な書籍が並んでいるかといえば、1面の右から、
<明石書店> 仏教の底力―現代に求めれる社会的役割
中国・台湾・香港の現代宗教―政教関係と宗教政策
<1万年堂出版> 歎異抄ってなんだろう―例え話で歎異抄の全体が
わかる
<佼成出版社> 人生相談―苦しみとサヨナラする
<図書刊行会> 真理のことばの物語集
ブッダの瞑想レッスンー修行入門一歩前
<水曜社> 曹洞宗の葬儀と供養―おくる
<成美堂出版> 仏教のみかたー語れるようになる
<東京書籍> 歎異抄手帳
広説・佛教語大辞典
<東方出版> 日蓮遺文の思想的研究
法然上人二十五霊場への誘い
東密諸法流印信類聚
の8社の仏教関連書籍がありました。
ある日の新聞広告(書籍)
今なぜこのような書籍の広告特集が掲載されるのか? に思いが行き
ちょっと立ち止まったのでした。 8月だからお盆が近い? 原爆や終
戦の月だから? 長引くコロナで精神的に落ち込む人が多いから?
ウクライナへのロシア侵攻をきっかけとして、世界各国の図式が鮮明
となり世界不安が深刻化して来ているから?
世情に疎い身では大した理由が浮かんできませんが、いずれにしても
最近のストレスの蓄積が万民に重圧となってきているのではないか・・
との読みなどから編集部?の企画があったのかもしれないと・・。
広告企画のいきさつなど知る由もありませんが、しかし、この広告
から改めて、日常を取り巻く環境がスッキリしない、晴れない圧力が
まるで重力のようにのしかかってきていることを浮きだたせるのです。
じわ~ッとボディーブローのように、2年半も行動制限、実家にも帰
りにくい、なんとか会などの集まりが出来ない、飲み会などの日常の
発散の機会が奪われている、旅行や娯楽も気にしながら・・そんなコロ
ナの影響が人の心を晴れやかにしていない、見えない枷がはめられて
いるような、むしろどんよりと厚い雲に常に覆われていることの影響
がその根底にあるのではないかと思えるのです。
しかし、暑いさ中に行動制限の圧力を感じ、気が引けながら出歩い
たり、お茶したりして紛らすよりは、この広告にあるような、必ずし
も佛教にこだわらない心の安らぎを得るのが賢明であるかもしれません。
広告に出ている本は、どれも手にしたことはありません。
本棚に収まっている『はじめて出会う 歎異抄』(小玉浩憲氏、朝
日ソノラマ)ぐらいが近いところです。 6番目にある『歎異抄手帳』
(五木寛之訳)の五木寛之の書かれた類似のエッセイ『大河の一滴』
『他力』『下山の思想』『生きるヒント』などは、読んでいました。
この頃、読書にはまっていて、五木の小説では、『風の王国』『白夜
ものがたり』『親鸞』『蓮如 我が深き淵より』『レッスン』ほかた
くさん読んでいました。
五木寛之のほか、司馬遼太郎も好きで、ポピュラーな『竜馬がゆく』
『坂の上の雲』『翔ぶが如く』や『韃靼疾風録』『北斗の人』などなど
懐かしい本が目に入ってきました。
韃靼疾風録
私は、子供の頃はいわゆる「ラジオ少年」でしたから、文学方面に
は興味がなかったのでしょう、「ラジオの製作」や「無線と実験」な
どの月刊誌をあさっていたようでした。
しかし、社会人もしばらくしていると、人文関係、歴史などに興味
が移り、上に挙げましたような本へと移り変わっていったのだと思い
ます。 自然界のいろいろを解明する、知識を得るなどの喜びもわか
りますが、人が構成する社会、社会的な軋轢、人の思いなど、すぐに
答えが出ないような複雑でしかし、現実に厳然と存在する事象の中で
生きて行く、そして疲れる時に救いを求め新しいヒントやエネルギー
を充てんする重要さ、必然さを感じるようになってきたのでしょうね。
新聞の広告欄が、懐かしくもあるいろいろを想い出させてくれたの
でした。
Waltz for Cynthia