蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

終戦から77年  (bon)

2022-08-16 | 日々雑感、散策、旅行

   昨日(8/15)は終戦の日で、あれから77年が過ぎました。  私は、
疎開(奈良県田原本町)していましたから、戦争の直接の体験はなく、
まだ4~5才くらいのがきっちょでしたから何やら大変なこととは感じ
ながらも深い意味など知る由もなく育ち、しかし、戦後のものの無かっ
たこと、大阪に戻った時の焼け跡の姿、世の中がざわざわしていたこ
と・・などの記憶は部分的ですがそのまま残っています。

        全国戦没者追悼式
         (yahooニュースより)

 あれから77年が過ぎたのです。街なかでしたから、一面グレーっぽい
モノトーンの画面がアニメーションのようにパラパラと繰りながら色
づき始め、やがて暖かい色合いとともに豊かさが戻り華やかな賑わい
と力強さが感じられるように移り変わってきました。世の中の変わり
ようと自分の人生の変化はある意味同期していますから、その中に溶
け込めていますが、その段差はかなり大きいですね。

         (ネット画像より)

 翻って、明治維新から終戦(太平洋戦争)までが丁度77年ですから、
明治から今日までのちょうど中間に終戦が位置しているのですね。
明治維新~終戦、終戦~現在がそれぞれ77年で、大雑把に振り返って
みると、社会の発展、経済の振興は、その絶対値は違いますが傾向と
しては似た発展をしてきているように捉えられますね。

 明治維新では、それまでの鎖国が開かれて、西洋の新しい文明の風
に触れ、後れをとる日本に理化学教育の振興を図るべく、まだ上野では
彰義隊の戦いが行われている頃、東京を避け早々と大阪(大手前)に
舎密局(セイミ局=セイミはオランダ語の化学CHEMIEから)が明治2年
に開校するなど、新しい文明へと大きく開花して行くのでした。

         舎密局跡(大阪大手前)
         (大阪観光より)

 明治政府の殖産興業政策により、官営の軍事工場の経営のほか富岡
製糸場などの生糸が輸出の中心的存在となるなど著しい発展を続け、
さらに欧米からの技術移転により近代工業を育成することに重点が置
かれ、日本の工業化がすすめられ鉄鋼産業の他、造船業なども大きく
進展しました。

          官営工場(富岡製糸工場)
           (ネット画像より)

 第一次世界大戦後の不況に続いて、関東大震災や世界金融恐慌もあ
りましたが、これらを脱出して産業発展が進み、鉄鋼業、自動車、航
空機、機械工業などの重化学工業分野で急成長を遂げ世界列強の仲間
入りを果たしますが、第二次世界大戦へと進み大きな犠牲を払いなが
ら敗戦の日を迎えることとなりました。 300万人を超える犠牲を出し、
産業どころか荒廃の底に落ちてしまうのです。昨日、日本武道館にて
77年目の全国戦没者追悼式典が開催されました。

            

 戦後、奇跡の復興を遂げ、エレクトロニクス、自動車などを筆頭に
世界の日本と謳われるまでに産業は発展し、世界第二のGDPを誇るまで
に成長を究めてきました。
 それが1990年代は、バブル崩壊と共に失われた10年と呼ばれる不況
に落ち込みITバブルなどで持ち直したかに見えましたが、リーマンシ
ョックは大きな打撃をもたらし、東日本大震災などにより失われた20年、
さらに続く失われた30年と回復基調を見いだせないまま、コロナショ
ックの大きな長期間の波を受けているのです。

 大雑把ですが、明治維新から戦前までの77年の成長と最後の停滞、
そして戦後の急速な復興発展と最後の停滞と二つの大きな波頭を超え
たその先につながる今後に向けて、果たしてどのようなパラダイムを
描くのでしょうか?

    
                   (ネット画像より)

 いま世界は大国の緊張が増している中、地球規模の温暖化などの問
題を抱え、コロナ、ウクライナによる経済的なつけを強いられています。
このような状況の中で、日本の今後をどの様に舵取りをすればよいの
か、大変大きな難しい状況に直面しているのですね。

 政府は「新しい資本主義」を目指すとして、この失われた30年の切っ
先を上向けるべく政策断行内閣を構築しましたが、果たしてどのよう
なパラダイムで、具体的にどのように推進して行くのでしょうか?

 新しい資本主義の「成長戦略」として、①科学技術イノベーション、
②デジタル田園都市構想国家構想により地方活性化、③カーボンニュ
ートラルの実現、④経済安全保障 がその柱として掲げられています。

 もとより分かるはずもない巣ごもりの隠居じじいの独り言をお許し
ください。
 今後に向かう産業は、世界をリードできるような、知的・高付加価
値産物の創生かな?と思うのです。具体的にどのようなものかは分か
りませんが、一つの例として、AIによるあらゆる作業の高効率化により
あらゆるプロセスに変化をもたらす、また、医療や1次産業の未知領域
への適用により新しい価値を生み出す などが浮かんできます。
 そして今後も引き続くであろう、大型で頻繁に起きる災害の復興負担
の増大に苦しまないために、地球温暖化防止方策のための技術開発、
地熱を含むエネルギー開発などへ注力して行くなどはどうでしょうか。

 歴史認識もばらついていますが、昨日の終戦の日に当たって、いろ
いろと思いめぐらした感想を書いてみました。

 

 

 

誰か故郷を想わざる 霧島昇

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする