日本のドラフト指名を逃れた日石の田沢投手が複数のメジャー球団と交渉の末、ボストンレッドソックスに入団決定しました。日本でのプロ経験がない新人のメジャー契約ということで、まったく異例づくめの展開です。
巨人入りを熱望し、大学卒業時のドラフトで他球団の指名を蹴った長野選手は、社会人で2年待って今回こそはと臨んだドラフトでロッテから指名を受け、悩んだ末に入団を辞退しました。もちろんロッテを非難することは出来ませんし、FAが出来て入団拒否する選手が少なくなった中でも初志貫徹した長野選手を非難することも出来ません。
私が不思議なのは、なぜ田沢選手ほどの選手をむざむざ無指名でメジャーに出してしまったのかということです。どこも指名しなければ、ダメもとで下位指名する球団があってもおかしくないのに、どの球団も世間の批判を恐れたのか、指名回避に走ったのでした。田沢選手の言動を非難することはできませんが、ルールがあるのに、現行のルールを適用しない球団側の動きは?ですね。過去には大学進学が伝えられていた工藤公康を西武が6位指名で口説き落とした例もあります。
野茂選手などパイオニアは前例がないことをして、ルールが追い付かず混乱を招いたり、誤解を受けたりしがちです。しかし、だいぶ時間が経って田沢選手を非難する雰囲気はありません。隔世の感があります。しかし、今後は何らかのルールづくりが必要でしょうね。もはや単純に流出を防ぐような時代ではないのでしょうが、日本球界のためになる方策を練ってほしいものです。