前回の自民党総裁選は、総選挙で歴史的大敗を喫した直後の、2009年9月でした。まさに危機的と言える状況で、大多数の推されて立候補したのが、谷垣禎一氏でした。他は知名度は高いものの党内基盤は弱い河野太郎氏とまったく無名の西村康稔氏だけで、谷垣氏が大方の予想通り圧勝したのでした。
それが、今回の自民党総裁選では、元首相の安倍晋三氏を筆頭に、石破茂、町村信孝、石原伸晃、林芳正と主要閣僚や党要職を務めた大物ばかりが5人も立候補しています。
前回の危機的な状況の時に立たず、何故、今立つのか。
理由は簡単、子どもにだって分かります(さすがに分からないか)。
民主党の失策(鳩菅の失政、ゴタゴタの末の分裂)で、近いうちに総選挙があれば、第一党に躍り出て、あわよくば政権に返り咲いて、首相の座が転がり込む見込みが出てきたからです。
現金なものです。
仮に、首相の座を射止めたとしても、そんな志の低さで何が出来るのでしょうか。政治がきれいごとではないのは分かりますが、これだけ汚れてくると、キレイなものが欲しくなるのが人情です。そんな国民の機微をどこまで分かっているのでしょうか。
対する民主党も、さえない面々の争いになり、野田さんの再選となりそうです。野田さんは思っていたように、なかなかしたたかで、芯もありそうですが、しかし、その言葉や行動には、どこか心からのものではない、作りもののような感じがぬぐえません。
現職ですから、願わくば、本物となってほしいものです。