第93回全国高校野球選手権は、日大三高が10年ぶりの優勝で幕を閉じましたが、10年前の日大三高も強力打線と投手力のバランスがとれたチームでした。チーム打率.427は当時の新記録で、本塁打7本と合わせ、今年のチームの上をいっています。本塁打を2本ずつ打った内田和也、都築克幸はプロ入りしました(3本打った原島正光は進学)。投手も、エース近藤一樹、千葉英貴の二人がプロ入りし、同じ高校から4人同時にプロ入りするほどの選手層の厚さを誇りました。
と、いかにも見てきたように書いていますが、すべて後から調べたことで、10年前にはまったく知りませんでした。10年前も、今大会を沸かせた光星学院、聖光学院、習志野、金沢、東海大姫路、智弁、開星、如水館なども出場していました。
10年前と言えば、30代半ばで、振り返れば、仕事面でも一番忙しかった(というか余裕がなかった)時期です。そして、倅は幼稚園で散ドラにも入っていませんでしたし、野球にも全然興味を示していませんでした。子どもの頃には熱烈なファンだったものの、あっちこっちから4番打者集めをする巨人も応援する気が起きず、松井秀喜選手に関心があっただけです。ということで、この時期は、野球から一番遠かった時期だったので、高校野球にも関心がなかったのだと思います。
そして、倅が散ドラに入団してから初めて迎えた夏が、早稲田実と駒大苫小牧の決勝引き分け再試合の時でした。当然見ました。そして、公立の星・佐賀北の快挙、大坂桐蔭の決勝での圧勝、日本文理の驚異の追い上げをかわした中京大中京、興南島袋の力投、今年の日大三高と続く、夏の甲子園を見てきました。やっぱり野球っていいですね。特に、高校野球はやっぱりいいですね。
ところで昨日、その5年前の夏に激闘を繰り広げた早実出身の斎藤佑樹と駒大苫小牧出身の田中将大が同じ日に登板ということで話題になりました。しかし、いまだに高校時代の縁で二人を取り上げるのはナンセンスであり、プロフェッショナルに失礼だと思います。当時、ハンカチ王子として一世を風靡し、優勝投手となったのは斎藤投手ですが、プロに入ってからの地位は完全に逆転しています。
9回に150km超の球を投げ、完投で12勝目を飾っても内容に納得していない田中投手に対し、斎藤投手は5回、6回を何とかアップアップで投げているただの新人に過ぎません。斎藤投手が今後どうなるか分かりませんが、マスコミもプロとしての取り上げ方をすべきでしょうね。
また、余談ですが、プロ入りした10年前の日大三高のメンバーでは、近藤一樹(オリックス)以外は、目立った実績を残せず、プロを引退したそうです。プロ注目の逸材揃いで、畔上などは当然上位指名されるんだろうなと思っていましたが、今年のメンバーは報道によれば、誰もプロ志望届を提出せず、進学希望とのことです。
ひょっとしたら、10年前に高卒でプロ入りした教え子たちのことが頭にあって、小倉監督が進学を勧めているのかもしれませんね。ただ、確かに高卒でプロ入りすると難しい面もありますが、田中将大と斎藤佑樹の現在の差を見ていると、決して素質だけの差でもないと思います。しかし、進路はあくまで本人が決めることですから、決めた道でがんばってください!
↓ 野球に乾杯!
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