復元建造物が建ち並ぶエリアの中でもっとも大きいのが「旧島田家住宅」の前に復元された「旧田中家住宅」である。田中家は江戸後期から明治にかけての甲州街道府中宿を代表する大商家である。明治天皇が府中近辺に来訪した際、兎狩りの際には田中家を休憩所として宿泊所として利用されたという。その証「明治天皇休憩所」の石柱もある。表門や玄関式台付きの母屋などの武家様式を備えた風格ある建物である。御座所として使われた奥座敷部分が残されている。建築面積は537.8㎡、延床面積は731.4㎡、規模は平屋建(一部地上2階建)、構造は木造&鉄筋コンクリートで瓦屋根である。見学は1階の一部で他に休憩所と和室を貸出している。(1602)
相模原市緑区元橋本町に永平寺、總持寺を本山とする曹洞宗寺院「橋本山瑞光寺」はある。高乗寺(八王子市)の末寺であり、天正14年(1586)開創、本尊は釈迦牟尼如来座像。「橋本遺跡」(縄文時代)の中に建ち、江戸時代には寺子屋を開き古くから教育の場となっていた。明治6年(1873)には現在の旭小学校の前身「本然学舎」を開校している。その証が「山門」前に「本然学舎橋本学校開設の地」の記念碑が建てられている。山門を潜ると数年前新築された寄せ棟照りむくりの屋根の「本堂」、「位牌堂」、「鐘楼堂」が建ち並び、境内も整備され梅の花が咲き以前訪れた時とは全く違って美しくなっていた。(1602)