鎌倉市長谷に鎌倉にゆかりの深い文学、文士たちの作品や資料、記念品を展示している「鎌倉文学館」はある。当館は昭和60年(1985)、旧前田候爵鎌倉別邸を改築して設けられた木造三階建ての洋館である。戦後内閣総理大臣佐藤栄作やデンマーク公使の別荘として使用された。青い屋根の洋館の前には600㎡のバラ庭園が広がり、世界各国の199種244株が植えつけられている。今、赤、白、黄、ピンクのバラが甘い香りを漂わせ美しさを競い合うように咲いている。まるでバラの花園である。中でも鎌倉の地にゆかりのある星月夜、静の舞、流鏑馬、春の雪、大姫、薪能、かまくら小町のバラは人気があるようだ。5/11~6/5迄「バラまつり」が開催されている。咲き誇った園内は多くのバラ鑑賞客、愛好家、撮影者で賑わっていた。バラと青い洋館のコントラストは一枚の絵を見ているようである。(1605)
藤沢町に古くから鎮座する古社「白旗神社」はある。創建年代不詳(鎌倉時代)。寒川神社を勧請した寒川神社だったが宝治3年(1249)源義経が合祀され「白旗明神」、「白旗神社」となる。相模國一之宮寒川神社の祭神「寒川比古命」(関東地方を開拓された神様)と歴史上のヒーロー「源義経」を祀る神社として知られている。近くに伝源義経公首洗井戸があるように、腰越浦での首実検の後、境川に捨てられ流れ着いた義経の首がこの地に葬られたという伝説にまつわる。藤沢本町より国道467を進むと「大鳥居」があり、「御典橋」、鳥居脇に「社号表」、「大御神灯」、「手水舎」、「江ノ島弁財」、「天道標・庚申塔群」、「源義経公鎮霊碑」「弁慶の力石」、「藤沢輪盛会記念碑」、「御嶽山石碑」と境内には悠久の歴史を感じる多くの史跡がある。境内右には「社務所」、「神輿殿」、「弁慶藤」の名がついた藤棚がある。石段(参道)を上っていくと本殿、弊殿、拝殿を連ねた典型的な流権現造りの「社殿」群がある。外壁部は江戸時代の匠の技が光る彫刻が施されている。四季を感じられる緑豊かな自然の神域である。(1605)