藤沢市本町に鎌倉光明寺の末寺で浄土宗の寺院「八王山常光寺」はある。創建は元亀三3年(1572)。火災に遭い宝暦12年(1762)に再建。本尊は阿弥陀如来である。当寺の山裏には源義経の家来となった「弁慶」の霊を祀る「八王子権現社」があったようで近くの丘には「弁慶塚」石塔がある。山門を抜けると左手に「六地蔵」と浄土宗系の「庚申塔」が二基ある。その他宿の旧家の基地が残されている。正面に「本堂」、右に庫裏がある。境内には天然記念物の樹林があり市の指定になっている。中でも「かやの大木」は県の名木百選に指定されている。当寺は藤沢七福神一つである「福禄寿」を祀っている。(1605)
国分寺市西元町に大正11年国指定史跡となった「相模国分寺跡」がある。現在は芝生原のみであるが建物の基礎部分が残っている。ビナウォークの広場に建っている「七重の塔」も国分寺の伽藍の一つである。奈良時代の中頃、聖武天皇は仏の力で国を安定させるために諸国に国分寺の建立を命じられた。天平13年(741)建立された「相模国分寺」はその寺院のひとつである。武蔵国では都と国府を結ぶ古代官道「東山道武蔵路」沿いの東に僧寺、西に尼寺が配置された。武蔵国分寺跡は全国の国分寺跡と比べても規模が大きくその歴史的重要性が認められ大正11年に国指定史跡に指定された。昭和41年からの史跡整備、発掘調査から平成8年にかけ「塔跡」、本尊仏を安置する建物「金堂」、経典の講義などが行われる建物「講堂」の基壇復元、中門・廊跡・僧坊跡などの位置表示を施して現存する礎石は当時の位置のままで保存されている。礎石だけではあるが相当広大な地で営まれていた往時の様子が感じられる瞬間であった。(1605)