町田市能ヶ谷、小田急線「鶴川駅」北口の鶴川街道側に町田市が管理している「香山園」(かごやまえん)という庭園がある。元々は地元の名主、地主の神蔵宗家第24代甚左衛門盛清は大永5年(1525)、越後国から来着し小田原の北条氏綱の許しを得て元木山柵(城)を造営した庭園である。盛清は浄土野森において扇谷上杉勢と戦い勝利を得て、その功により24万坪の地を後北条氏より賜った。当地を「直ヶ谷」と名付け、天文13年(1544)に柵内(城)に「瑞香殿」を建立、天正2年(1574)に「能ヶ谷」と改めた。江戸時代になると「瑞香殿」は幕府によって焼かれたが、元禄6年(1693)に建て替えられた。現在の建物は明治39年(1906)に建立されたもので建物の一部に元禄時代の柱、棟札、大戸が残されている。敷地面積13,432㎡(4,070坪)の中に書院造りの「大笠館瑞香殿」と池泉回遊式庭園「直ヶ谷之郷」で構成されている。「瑞香殿」の建築面積136坪、木造書院造、寄棟千鳥唐破風玄関付で、室内は「床の間」、「違い棚」、「付書院」、「格天井」等の造作が施されている。今回のリニューアルでレストランに改修された。戦国時代の遺構は残っていないが明治時代に子孫により「瑞香殿」と「池泉回遊式日本庭園」は守られ以降「香山園」として一般公開されるようになった。地元の人からは「お灸殿」と呼ばれていた。神蔵家の管理が難しくなり平成27年(2015)3月末日に閉館、町田市が譲り受け管理をすることとなった。しかし築110年の建物の老朽化により13億円掛け耐震、修復工事を行うった。2021年3月より3年間閉園となるも、この程耐震・修復工事を終えて今日(1/25)リニューアルオープンとなった。9:00開園前に50人ほど並んでいた。10:00から1700 開園を記念して、オープニングイベントが開催される。式典はテープカットセレモニーや先着100名に野点が振舞われた。他に獅子舞、施設解説、昔あそび、琴演奏、竹灯籠とキャンドルのライトアップ等が実施される。数百名が入園した池泉回遊式庭園と書院造の建物はこのほど庭園を眺めながら飲食できる「レストラン=桜梅桃李」もオープンした。(2501)
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