伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ルーベンス

2006-09-26 08:06:05 | 人文・社会科学系
 17世紀前半に活躍した画家ルーベンスの画集+解説の本。「フランダースの犬」でネロが最後に聖堂に忍び込んで見る絵を描いた画家ですね。
 ルーベンスは商業的にかなり成功した画家で、工房を作りチームで大量の絵を生産したそうです(作品は1600点以上に及び、旅行や外交活動の時間を除けば32年間に毎週1点の割合で制作されたことになるそうです。54頁)。ルーベンスは得意な人物を自分で描いて動物や植物は工房のスタッフの画家に描かせることが多かったけれども、だれが何を書いたかは正確に記録しルーベンス自身が描いた割合で価格を決めていたそうです(43頁)。

 私は、ルーベンスの絵をまとめてみたのは初めてですが、得意の人物は、注文主を神話中の人物にしたりの媚びはありますが、体のふくらみ、たるみ、しわが必ず描かれていてあまり美化はしないタイプと感じました。
 意外だったのは、今回初めて見た「フランドルの村祭り」(73頁)とか「イタリア村の農民の踊り」(79頁)のような風景画・農民画の巧みさ・躍動感です。人物画だけじゃなくてこういうのも上手なんですね。スタッフが描いたのかも知れませんが。
 画集でじっくりと見ると、細部の描写がかなり丁寧で、展覧会が来たら現物で見たいなと思いました。


原題:RUBENS
ジル・ネレ タッシェン・ジャパン 2006年9月5日発行
コメント
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