伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

依存症がよくわかる本

2007-03-12 07:30:09 | 人文・社会科学系
 アルコール依存症、薬物依存症、摂食障害、ギャンブル依存症、買い物依存症等の依存症の治療とその際に家族はどうすべきかについて解説した本。
 依存症の人は自分が依存症だという認識がなく(認めたがらない)本人は医者に相談に来ないので、まず治療の土俵に載せるために本人を現実に直面させる必要があり、そのためには家族が世話をしたり後始末をしたりしないで突き放す(冷静に距離を置いて見守る)必要があると著者は繰り返し述べています。著者は、依存症の治療は医師の力が1~2割、家族の協力が3~4割、そして患者自身が治そうとする力が5~6割と述べています(186頁)。患者自身が本気で治ろうと自覚するためには、まず自分が引き起こしている事態に直面して困りどん底体験をしなければならないということです。そして依存症患者の反省したとかもう大丈夫という言葉は真に受けてはいけない、アルコール依存症など30年以上も断酒を続けている人でも、飲みたい気持ちは一生続くので心理的には今でも慢性のアル中と語っている(57~58頁)とも。
 依存症については、家族が医師に相談してカウンセリングを受けて患者を突き放す、患者本人については集団ミーティング(患者同士で言いっぱなし聞きっぱなしの形で経験を語る)を受けるということが有効と著者は各種の依存症について述べています。アルコール依存症や薬物依存症だけでなく摂食障害やギャンブル依存症など他の依存症も。リストカットの場合も、注意は必要だし暖かく接する必要はあるけどやはり突き放す必要がある(123頁)そうです。ちょっと大丈夫かなあと思いますけど。


榎本稔 主婦の友社 2007年3月31日発行(この発行日付ひどくない?)
コメント
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