カミオカンデとその後継機スーパーカミオカンデ、カムランドでのニュートリノ検出実験の経過とニュートリノを巡る理論状況を解説した本。
私が子どもの頃には素粒子というと陽子、中性子、電子だけで済んでいたのですが、その後、素粒子が陽子や中性子も最小単位ではなく陽子も中性子も「アップクオーク」と「ダウンクオーク」が結合してできているとか、中性子が電子を放出して陽子になる(β崩壊)ときにニュートリノが出るとかいう話になり何となくついて行けなくなっているのを挽回できるかなと思いながら読みました。
前半は、ニュートリノは人体から通常毎秒3000個も放出されている(38~39ページ)とか、地球内部から地表に向けて放出されるニュートリノは1平方センチメートル当たり毎秒20万個以上(40~41ページ)、太陽から地球に降り注ぐニュートリノに至っては1平方センチメートル当たり毎秒660億個(42~43ページ)とか、ビッグバン時に放出された「宇宙背景ニュートリノ」は宇宙全体に存在し「いまあなたの目の前にも、1立方センチメートルあたり300個の宇宙背景ニュートリノが浮いているはずです。」(203ページ)などイメージしやすい説明が続き、何となくするすると読めます。ただ、最初の方の易しげな説明でも、中性子が陽子になるβ崩壊で電子とニュートリノが放出される(30~31ページ)というのと恒星が重力収縮して中性子星になる過程の「重力崩壊」で陽子が電子と結合して中性子になる際にもニュートリノが出てくる(78ページ)のが、ちょっとストンと落ちない気がしました。β崩壊も不安定な状態からより安定した状態への変化で、重力崩壊でも電子が結合によってエネルギーが低い状態になることからエネルギーが放出されるであろうことはまぁ理解できますが、中性子→陽子+電子と陽子+電子→中性子でどちらの反応でも同じ物が放出されるというのは直感的に納得しがたく思えます。易しく説明しようとするからかもしれませんが、読んでいてイメージはできるのだけど首をひねる部分がところどころあった感じです。
第4章で17種類の素粒子が登場する素粒子の「標準理論」の説明が始まってから後は、一気に難しくなり、ほとんどついて行けなくなりました。前半で少しニュートリノの話もわかったような気になったのが、気持ちがしぼみ、あ…やっぱり難しいわとあきらめてしまいました。
鈴木厚人 集英社新書 2013年9月18日発行
私が子どもの頃には素粒子というと陽子、中性子、電子だけで済んでいたのですが、その後、素粒子が陽子や中性子も最小単位ではなく陽子も中性子も「アップクオーク」と「ダウンクオーク」が結合してできているとか、中性子が電子を放出して陽子になる(β崩壊)ときにニュートリノが出るとかいう話になり何となくついて行けなくなっているのを挽回できるかなと思いながら読みました。
前半は、ニュートリノは人体から通常毎秒3000個も放出されている(38~39ページ)とか、地球内部から地表に向けて放出されるニュートリノは1平方センチメートル当たり毎秒20万個以上(40~41ページ)、太陽から地球に降り注ぐニュートリノに至っては1平方センチメートル当たり毎秒660億個(42~43ページ)とか、ビッグバン時に放出された「宇宙背景ニュートリノ」は宇宙全体に存在し「いまあなたの目の前にも、1立方センチメートルあたり300個の宇宙背景ニュートリノが浮いているはずです。」(203ページ)などイメージしやすい説明が続き、何となくするすると読めます。ただ、最初の方の易しげな説明でも、中性子が陽子になるβ崩壊で電子とニュートリノが放出される(30~31ページ)というのと恒星が重力収縮して中性子星になる過程の「重力崩壊」で陽子が電子と結合して中性子になる際にもニュートリノが出てくる(78ページ)のが、ちょっとストンと落ちない気がしました。β崩壊も不安定な状態からより安定した状態への変化で、重力崩壊でも電子が結合によってエネルギーが低い状態になることからエネルギーが放出されるであろうことはまぁ理解できますが、中性子→陽子+電子と陽子+電子→中性子でどちらの反応でも同じ物が放出されるというのは直感的に納得しがたく思えます。易しく説明しようとするからかもしれませんが、読んでいてイメージはできるのだけど首をひねる部分がところどころあった感じです。
第4章で17種類の素粒子が登場する素粒子の「標準理論」の説明が始まってから後は、一気に難しくなり、ほとんどついて行けなくなりました。前半で少しニュートリノの話もわかったような気になったのが、気持ちがしぼみ、あ…やっぱり難しいわとあきらめてしまいました。
鈴木厚人 集英社新書 2013年9月18日発行