伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

魔眼の匣の殺人

2020-07-01 01:13:54 | 小説
 「屍人荘の殺人」の続編で、屍人荘の殺人の3か月後、明智恭介亡き後ミステリ愛好会会長を引き継いだ葉村譲と奇怪な事件を引き寄せる体質を持ち数々の謎の事件を解決してきた剣崎比留子が、娑可安湖畔事件(屍人荘の殺人)の鍵を握る秘密組織「班目機関」を追ううちに班目機関の超能力研究所の存在を知り、山奥の真雁地区にある「魔眼の匣」と呼ばれる建物にたどり着いたが、これまで予言を外したことがないというサキミが「11月最後の2日間に、真雁で男女が2人ずつ、4人死ぬ」と予言していることを知らされ、その後他地域との唯一の通路の橋が燃え落ちて11人の男女が魔眼の匣に取り残され…というミステリー。
 屍人荘の殺人と同様、設定には無理があり、ややわざとらしくクセのある言い回しも気になりますが、それに慣れてしまえば、謎解きの誠実さ丹念さ、最後までひねろうというサービス精神に感心します。
 この作品でも班目機関の現在の活動に関する情報は得られなかったとした上で、最後に数か月後にまた事件が起こることに言及して続編を予告しています。葉村が大学1回生、剣崎が2回生という設定も考えると、数か月おきに事件が起こるなら、剣崎の大学卒業までに10巻くらい行けてしまいますが、作者はそこまで続けるつもりなんでしょうか。


今村昌弘 東京創元社 2019年2月22日発行

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