伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ラストライン2 割れた誇り

2020-07-25 12:33:17 | 小説
 「ラストライン」の1年半後、南大田署配属の警部補岩倉剛が、北大田署が立件して無罪判決を受けた元被告人田岡勇太が周囲から嫌がらせを受け、殺害された女学生の恋人光山翔也に押しかけられたりするのを防止し保護する側で対応するうちに、河川敷で光山翔也の遺体が発見され、田岡勇太も襲われるという展開の警察小説。
 主人公岩倉剛の設定は、「ラストライン」の当初は驚異的な記憶力という点がいちばんの特徴だったはずですが、そこはもう忘れ去られたようで、むしろ暴走する刑事にストップをかけて恨まれる役という点と、20歳年下の女優の愛人を持つ50歳のオヤジ刑事という点だけが特徴の小説になっています。
 若い女性に惚れられる高齢男性主人公というのは、高齢男性である書き手にとっては自らの持つ幻想(妄想)の反映と読者ニーズへの媚びなんでしょうね。私も自分が書いている小説の設定からして他人のこと言えませんから (*^_^*)


堂場瞬一 文春文庫 2019年3月10日発行
コメント
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