バンドをクビになってそのバンド連中を見返してやりたくてメンバーを物色していたドラマーの佐藤久美子が、女子高の同級生の蓮見翔子と隣のクラスの谷川実悠を誘い出して父が経営するスタジオでギターとベースの練習をさせていたら、実悠の同級生真嶋瑠香が練習を聴きに来るようになり、さらに瑠香が転校生の森久遙(ヨウ)を誘い込んでガールズバンドRUCASを結成し、遙の歌唱と歌作りが注目されて演奏は熱狂的に支持されたが…という高校時代の話と、14年後のメンバーたちの話を交差させて進める青春小説。
「武士道ジェネレーション」(2015年7月)では、青春小説までも「自虐史観」批判の材料とした作者のネトウヨ志向は、それが見られなくなった「歌舞伎町ゲノム」(2017年空き~2018年)と並行して書かれたこの作品でも見られず、その次の「ボーダレス」でも見られないので、卒業されたように見えます。長編第5作「硝子の太陽 R-ルージュ」と第6作「ノーマンズランド」をネトウヨ的政治宣伝に捧げてしまった姫川玲子シリーズも次は更生できるといいのですが。

誉田哲也 株式会社KADOKAWA 2018年4月27日発行
「武士道ジェネレーション」(2015年7月)では、青春小説までも「自虐史観」批判の材料とした作者のネトウヨ志向は、それが見られなくなった「歌舞伎町ゲノム」(2017年空き~2018年)と並行して書かれたこの作品でも見られず、その次の「ボーダレス」でも見られないので、卒業されたように見えます。長編第5作「硝子の太陽 R-ルージュ」と第6作「ノーマンズランド」をネトウヨ的政治宣伝に捧げてしまった姫川玲子シリーズも次は更生できるといいのですが。

誉田哲也 株式会社KADOKAWA 2018年4月27日発行