伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ラストライン

2020-07-24 00:56:04 | 小説
 驚異的な記憶力を持ち、それ故にサイバー犯罪対策課から脳の分析をしたいと求められ、しかもそれが別居中の妻が教授を務める大学と連携しているのに嫌気がさして断って、それ故に本庁の捜査1課から所轄への異動を希望して南大田署配属となった50歳の警部補岩倉剛が、初日から70歳の独居老人の殺人事件の捜査と新聞記者の自殺の調査に取り組む警察小説。
 設定上、岩倉剛については驚異的な記憶力ということが強調されているのですが、それが事件の解決やメインのストーリーに持つ重みは必ずしも大きくはなくて、別居中の妻と高校生の娘を持ち20歳年下の劇団女優の愛人を持つ50歳のオヤジ刑事を主人公とする警察ものという位置づけで読んだ方がいいかなと思いました。
 人の心とか行動の動機なんてものはきれいに説明できず理解できないところは残るとは思うのですが、私には結局新聞記者の動機・心情の説明はしっくりこないところがあり、読後感がスッキリしませんでした。


堂場瞬一 文春文庫 2018年11月10日発行
「週刊文春」連載
コメント
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