伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

楽園のアダム

2021-10-17 18:07:20 | 小説
 600年前に「大災厄」と呼ばれる疫病と混乱により絶滅の危機に瀕した人類が、島嶼部に住み島ごとに分業しつつ「カーネ」と呼ばれる人工知能の決定と指示に従い安定した暮らしを享受しているという遠未来において、知の探求を生業とする「珊瑚の島」に生まれたアスムと思い人である幼なじみのセーファが、大学内で連続して発見された惨殺死体とその対応をめぐる学長らの不審な様子に翻弄されていくという展開の小説。
 男と女、雄と雌の関係性、あり方、性と生殖についての問いかけ、投げかけをする作品だと思うのですが、平等を言いつつステレオタイプに思える男女・男女関係の描写、暴力を嫌悪しつつ暴力への寛容と憧憬を感じさせるところがあるのは、あえて問題提起をしているのか、抜きがたい性差意識の所産なのか、読んでいて、戸惑いとスッキリしない感を残しました。


周木律 講談社 2021年9月1日発行
コメント
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