写真家で、多摩美術大学情報デザイン科教授の著者が、2020年に多摩美大で行った講義を元に作成された本。
体系的に色彩論を学ぶということではなくて、さまざまなことがら・エピソードを題材にして、色彩について多方面から考えてみるという趣の本です。あまり知らないことがらで、たぶん高度な話が展開されているのだと思うのですが、あまりテクニカルな感じではなくて、いかにも難しいという雰囲気でもなく(といってわかりやすいわけでもないんですが)、読んでいて、あ、私「カルチャー」してるって思えるしゃれたセンスの本だと思います。判型も装丁も外で持ち歩いて読むのに適していますし。
特定の「場所」から始まる話と、特定の歴史的事実や研究、アーティストから始まる話があって、後者の方が多いのですが、私には場所からの話が入りやすく思えました。レインボー・ビーチ(オーストラリア東海岸)の崖に露出するオーカー(赤土)に朝日・夕日が当たる輝き(38~39ページ)とか、タンジェ(ジブラルタル海峡に面した古都)の旧市街の水色の壁(64~65ページ)とか、見たことがなくてもなんだかうっとりしてしまいます。
港千尋 MEI(インスクリプト) 2021年7月27日発行
体系的に色彩論を学ぶということではなくて、さまざまなことがら・エピソードを題材にして、色彩について多方面から考えてみるという趣の本です。あまり知らないことがらで、たぶん高度な話が展開されているのだと思うのですが、あまりテクニカルな感じではなくて、いかにも難しいという雰囲気でもなく(といってわかりやすいわけでもないんですが)、読んでいて、あ、私「カルチャー」してるって思えるしゃれたセンスの本だと思います。判型も装丁も外で持ち歩いて読むのに適していますし。
特定の「場所」から始まる話と、特定の歴史的事実や研究、アーティストから始まる話があって、後者の方が多いのですが、私には場所からの話が入りやすく思えました。レインボー・ビーチ(オーストラリア東海岸)の崖に露出するオーカー(赤土)に朝日・夕日が当たる輝き(38~39ページ)とか、タンジェ(ジブラルタル海峡に面した古都)の旧市街の水色の壁(64~65ページ)とか、見たことがなくてもなんだかうっとりしてしまいます。
港千尋 MEI(インスクリプト) 2021年7月27日発行