伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

階段ランナー

2022-04-07 23:40:25 | 小説
 中学時代水泳を頑張ってきて憧れのプールがある高校に入学したが家庭の事情で2か月で帰宅部になった高校2年生の奥貫広夢と、小3から卓球クラブチームに所属して高1で全日本選手権にも出場したがその3回戦で突然腕が動かなくなりイップス(心因性の筋肉硬化)と判定された三上瑠衣が、階段にハマり「階段おじさん」のブログを書いている社会科教師高桑曜太郎の縁で親しく話すようになり、母の介護のために京都に移住した高桑に引っ張られてJR京都駅ビル大階段駆け上がり大会に出場するという青春小説。
 基本的に広夢と瑠衣の視点での交互の語りで、母親に悩まされる素直でよいこの広夢の瑠衣への憧れと、イップスに悩まされ怒りを示しながら「怒らない」広夢に興味を持ち淡い思いを感じる瑠衣の気持ちを交差させていく、ほのぼの系の読み味の作品です。
 裁判等がメインの作品ではないのですが、弁護士監修を経ているらしい(末尾に協力者として弁護士名が入っている)のが、弁護士としては好感します。


吉野万理子 徳間書店 2022年1月31日発行
コメント
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