6歳年上の近所の名家の息子に恋い焦がれ、その息子が自分の高校の生物の教師となったのを見て自分も教師になって妻になりたいと思い詰める高校3年生の佐藤水咲が、その憧れのお兄ちゃんが下着泥棒で逮捕されてうろたえ冤罪と信じようとし悶え苦しむ日々を描いた小説。
作者は中学2年生で作家デビューし、この作品は高3で書いたというのですが、これが高校生の感覚なのでしょうか。憧れの人が盗んだパンツ800枚が並べられたテレビ映像がトラウマになり「決めたっ、私、もうパンツは穿かないっ」って(86ページ)。みずみずしいセンス!なのでしょうか…そして驚いたことに、それを聞いた同級生が「『もう頬づえはつかない』、もうパンツは穿かない、ってか?」と突っ込んでいます(同)。いや、それ、私が学生の時の小説と映画ですよ。今の高校生が知ってますか? 海を愛する男が加山雄三だったり(74ページ)。
この作品の問題じゃないんですが、「凜として」という表現が、この作品でも(12ページ)、この前に読んだ「世界は『 』で沈んでいく」(2022年4月25日の記事で紹介)でも(244ページ)、立て続けに出てきて驚きました。さらに前に読んだ「凜として弓を引く」(2022年4月4日の記事で紹介)ではタイトルでは使われていても作品中では一度も出てこなかった(私が見落としていなければ、ですが)のに。
鈴木るりか 小学館 2022年2月9日発行
作者は中学2年生で作家デビューし、この作品は高3で書いたというのですが、これが高校生の感覚なのでしょうか。憧れの人が盗んだパンツ800枚が並べられたテレビ映像がトラウマになり「決めたっ、私、もうパンツは穿かないっ」って(86ページ)。みずみずしいセンス!なのでしょうか…そして驚いたことに、それを聞いた同級生が「『もう頬づえはつかない』、もうパンツは穿かない、ってか?」と突っ込んでいます(同)。いや、それ、私が学生の時の小説と映画ですよ。今の高校生が知ってますか? 海を愛する男が加山雄三だったり(74ページ)。
この作品の問題じゃないんですが、「凜として」という表現が、この作品でも(12ページ)、この前に読んだ「世界は『 』で沈んでいく」(2022年4月25日の記事で紹介)でも(244ページ)、立て続けに出てきて驚きました。さらに前に読んだ「凜として弓を引く」(2022年4月4日の記事で紹介)ではタイトルでは使われていても作品中では一度も出てこなかった(私が見落としていなければ、ですが)のに。
鈴木るりか 小学館 2022年2月9日発行