伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

見えない地下を診る 驚異の物理探査

2022-04-15 20:50:28 | 実用書・ビジネス書
 地下の構造や資源等の存在を、地表面から地震波や重力、磁気、電気等を測定しその測定結果を解析することによって調査して行く手法について解説した本。
 第1章が、何を測定することで何がわかるかというような話、第2章が物理探査がどのような場面でいかに役に立つかの話、第3章がそれぞれの探査方法の説明という構成です。一応理屈として別の話なんでしょうし、立場上物理探査がいかに価値があるかを言いたい(サブタイトルにもその興奮・高揚が表れています)のもわかるんですが、結局第1章と第3章はずいぶんと被る感じがします。むしろ地下の何を探査するためにはこういう調査方法があって、それがどういうふうに役に立っているということを括って説明した方が読みやすく理解も深まるんじゃないかという気がしました。それで何ができるって自慢話だけじゃなくて、このあたりが現状では技術的・コスト的な限界で、それをどうやって補っていて、今後技術の進歩でどういうことが予測されるとか、測定方法のもっと具体的な話とか取れる生データはこういうものでそれをどう処理して分析してるなんてところまで書いてくれると(第1章、第2章、第3章に分けたために無駄にかぶってるところを省けばそれくらいの紙幅はできそうに思えます)よかったんだけどと思いました。


公益社団法人物理探査学会 幻冬舎ルネッサンス新書 2022年1月26日発行
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