伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

プリズム

2022-09-05 22:48:42 | 小説
 ソウル中心部の繁華街のビルの13階の玩具メーカーに勤務する27才のイェジンと、イェジンがランチタイムにテイクアウトのコーヒーを飲む空きテナント脇の階段スペースをやはりひとときの憩いの場にしていた同じビルの地下のスタジオで映画の音響ミキシングの仕事をしている元ミュージシャン35才のドウォン、パン屋でバイトを始めて数か月の25才の人付き合いに醒めた25才のホゲ、別れた元夫とセックスパートナーのそれだけの関係を続けるパン屋の店主34才のジェインの4人の絡みあう1年を、夏・真夏・初秋・冬・早春・夏の6つに切り分けたそれぞれの視点からの各4パート合わせて24のパートで描いた小説。
 最初の4パートの「夏」で、いずれも共感しにくい4人の様子に疲れ、読み進めるうちにそれなりに人となりや背景が描き込まれて馴染んでいくものの、まぁ小説なので読み始めたらこの人たちはどうなるのだろうという関心は持ちつつ、何となく最初の「夏」でおおかたの流れが見えてしまう感じがして、そういう予想に沿った展開が心地よいかどうかで好みが分かれるかなぁと思いました。


ソン・ウォンピョン 訳:矢島暁子
祥伝社 2022年7月20日発行(原書は2020年)
コメント
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