大学図書館でレファレンスサービスに従事している司書の立場から情報の探し方について解説し論じた本。
基本的に手堅い信頼性のある情報源からの情報収集を勧め、インターネットでの無料の検索の限界を示し、より充実した情報収集のために図書館を訪れ、司書に相談しながら、図書館で利用できる有料データベースも駆使して検索することを推奨しています。
ネットでの検索の方法や無料の情報源の使い方もいろいろと説明してくれているのですが、プロの司書はいろいろな探し方、情報を持っていて、司書に相談してもらうのが結局は速く深い情報を収集できるということを述べている第1章(「司書のアドバイスは総じて適切です。利用者にとって最大ではないものの最高のデータベースにもなれるでしょう。その力の源泉は、カンと先端性という二つです」:43ページ、「情報の最前線にいるプロだけが使える技術は現在でもあるのです。そのプロは、図書館のカウンターにいます」:48ページなど)、デジタル情報化のみに頼ることのリスクを語る第7章など、司書の存在感と自負を述べるところが、この本の眼目のように見えます。日本では司書が専門職と捉えられていないが、イギリス図書館情報専門家協会が2018年に行った「信頼できる情報を提供する専門家は?」という調査で図書館員の順位は法律家より高い4位だった(218~219ページ)、新型コロナウィルス禍の中で全国の図書館が「不要不急の施設」とみなされて閉館を余儀なくされたことははからずも図書館の魅力を際立たせた、早く再会してほしい、論文が書けない、勉強が進まないという声が溢れた(228ページ)などの記述に著者の思いが表れていると感じられます。
有料データベースの中で著者は「日経テレコン」を強く推奨しているので、基本使い勝手重視で勧めていると思いますが、人事情報では「WhoPlus」(日外アソシエーツ)を第1順位で挙げ(117~118ページ)、雑誌検索でも第1順位ではないですが「MagazinePlus」(日外アソシエーツ)を「広範な分野をカバーしています」と勧めていて(97ページ)、その本が日外アソシエーツの出版だというのは…
入矢玲子 日外アソシエーツ 2020年10月25日発行
基本的に手堅い信頼性のある情報源からの情報収集を勧め、インターネットでの無料の検索の限界を示し、より充実した情報収集のために図書館を訪れ、司書に相談しながら、図書館で利用できる有料データベースも駆使して検索することを推奨しています。
ネットでの検索の方法や無料の情報源の使い方もいろいろと説明してくれているのですが、プロの司書はいろいろな探し方、情報を持っていて、司書に相談してもらうのが結局は速く深い情報を収集できるということを述べている第1章(「司書のアドバイスは総じて適切です。利用者にとって最大ではないものの最高のデータベースにもなれるでしょう。その力の源泉は、カンと先端性という二つです」:43ページ、「情報の最前線にいるプロだけが使える技術は現在でもあるのです。そのプロは、図書館のカウンターにいます」:48ページなど)、デジタル情報化のみに頼ることのリスクを語る第7章など、司書の存在感と自負を述べるところが、この本の眼目のように見えます。日本では司書が専門職と捉えられていないが、イギリス図書館情報専門家協会が2018年に行った「信頼できる情報を提供する専門家は?」という調査で図書館員の順位は法律家より高い4位だった(218~219ページ)、新型コロナウィルス禍の中で全国の図書館が「不要不急の施設」とみなされて閉館を余儀なくされたことははからずも図書館の魅力を際立たせた、早く再会してほしい、論文が書けない、勉強が進まないという声が溢れた(228ページ)などの記述に著者の思いが表れていると感じられます。
有料データベースの中で著者は「日経テレコン」を強く推奨しているので、基本使い勝手重視で勧めていると思いますが、人事情報では「WhoPlus」(日外アソシエーツ)を第1順位で挙げ(117~118ページ)、雑誌検索でも第1順位ではないですが「MagazinePlus」(日外アソシエーツ)を「広範な分野をカバーしています」と勧めていて(97ページ)、その本が日外アソシエーツの出版だというのは…
入矢玲子 日外アソシエーツ 2020年10月25日発行