30代の女用心棒バルサを主人公とするファンタジー「守り人シリーズ」の外伝。
「天と地の守り人」の新ヨゴ皇国とタルシュ帝国の戦の1年半後、戦で片腕を失ったタンダとともに暮らすバルサが新たに護衛の旅に出るところからスタートするこの本は、「天と地の守り人」で完結したはずの「守り人シリーズ」の「外伝」ではなく「続編」かと思いましたが、実は、この新たな旅が20年前のバルサがまだ16歳だった頃、父の親友だったジグロに連れられて就いた護衛の旅とリンクしていて、結局は大半がジグロとともに戦った過去の想い出の物語として語られます。続編として読み始め、実はエピソード0だったというところです。
これまでの作品に比しても厳しい戦いが続き、まだ16歳のバルサが傷つき殴られる描写には胸を痛めます(その感覚自体が女は弱い者、守られるべき者という偏見だと言われてしまえば、否定はできませんが…)。他方で、若々しくたくましいバルサの姿に爽快感も感じられ、バルサファンには読みたかった1冊と言えるでしょう。
上橋菜穂子 偕成社 2018年12月発行
「天と地の守り人」の新ヨゴ皇国とタルシュ帝国の戦の1年半後、戦で片腕を失ったタンダとともに暮らすバルサが新たに護衛の旅に出るところからスタートするこの本は、「天と地の守り人」で完結したはずの「守り人シリーズ」の「外伝」ではなく「続編」かと思いましたが、実は、この新たな旅が20年前のバルサがまだ16歳だった頃、父の親友だったジグロに連れられて就いた護衛の旅とリンクしていて、結局は大半がジグロとともに戦った過去の想い出の物語として語られます。続編として読み始め、実はエピソード0だったというところです。
これまでの作品に比しても厳しい戦いが続き、まだ16歳のバルサが傷つき殴られる描写には胸を痛めます(その感覚自体が女は弱い者、守られるべき者という偏見だと言われてしまえば、否定はできませんが…)。他方で、若々しくたくましいバルサの姿に爽快感も感じられ、バルサファンには読みたかった1冊と言えるでしょう。
上橋菜穂子 偕成社 2018年12月発行