子どもがいないときには夫とは挨拶もなし、会話は最低限の連絡事項のみ、まともに目を合わせることもしばらくしていないという家庭内別居状態の全国チェーン書店本部勤務の47歳安納みゆきと、1歳年上の出版社で書店営業をしている夫安納範太郎が、中3の息子昴が学校をサボって富山に引っ越した小学生時代の友人の元を尋ねたことを知って慌てて連れ戻しに行くが、息子から今来たらもう絶対帰らない、来るなら日曜日にしてくれと言われて、仕方なく富山で観光をして過ごすという展開の小説。
倦怠期の夫婦関係を扱いつつも、実質富山観光紹介のような作品ですが、範太郎が濃い鉄道ファン(その同僚の尾形は輪をかけて濃い鉄ちゃん)という設定で、取り上げる観光スポットが鉄道ファン目線の独特のものが多く、興味深くもあり、ついて行けなくもありという感じでした。少し前まで、富山地裁の事件を抱えていたので、そのときに読んでいれば、観光の一つもする気に…なったかな。
椰月美智子 双葉社 2022年7月30日発行
「小説推理」連載
倦怠期の夫婦関係を扱いつつも、実質富山観光紹介のような作品ですが、範太郎が濃い鉄道ファン(その同僚の尾形は輪をかけて濃い鉄ちゃん)という設定で、取り上げる観光スポットが鉄道ファン目線の独特のものが多く、興味深くもあり、ついて行けなくもありという感じでした。少し前まで、富山地裁の事件を抱えていたので、そのときに読んでいれば、観光の一つもする気に…なったかな。
椰月美智子 双葉社 2022年7月30日発行
「小説推理」連載