伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

シャドウワーク

2022-12-10 21:29:09 | 小説
 DV夫の暴力を受けて救急搬送された病院で出会った看護師間宮路子に紹介されて江ノ島の民間シェルターに逃げ込んで家主の志村昭江の下で同様の境遇の3人の女性たちと共同生活を送る宮内紀子と、警察庁捜査2課のエリートの夫からDVを受けて告訴したために飛ばされた館山警察署で海岸に流れ着いた女性の腐乱死体を自殺処理されたことに納得がいかず調べ続けて上司の不興を買っている刑事北川薫が、物語の進展に従い交差するに至る展開のサスペンス小説。
 DV被害の深刻さ、凄まじさを訴えかける作品なのだとは思いますし、一般読者にはある種溜飲が下がる部分はあると思います。しかし、DV被害者の支援・救済に取り組み、シェルターの運営やサポートに携わっている人たちは、この作品をどんな気持ちで読むのかなぁと、そこが気になりました。


佐野広実 講談社 2022年9月26日発行
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