植物化石の分析研究等から推定される5000万年前以降の日本の気候の変動とその原因となったできごと等を解説した本。
5000万年という超長期のスパンで見ると、活発な火山活動等によって現在よりも約10℃気温が高かった約5000万円前から長期的には寒冷化が続き、現在は間氷期の温暖状態であること、他方で産業革命以降の温暖化は極めて急速なものであることが説明され、私が子どもの頃に聞かされていた寒冷化の話と現在言われている温暖化の話が頭の中で整理された気持ちになりました。
日本の気候が緯度のわりに温暖で雨が多く日本海側では雪が降る(雪が多い)ことは、強い暖流の黒潮が近海を通り、その支流の対馬海流が日本海を流れること、日本海が存在して高い山があるためにシベリア高気圧からの冬季モンスーンが大量の水蒸気をはらんで日本アルプス等に吹き込んで大雪となるというような地理的条件があるためであること、かつては日本は大陸の一部であったがそれがマグマのリフティング等によって次第に移動して島となり日本海が形成されたこと、黒潮が日本近海を流れるようになったのはインド亜大陸の移動に伴う1700万年前頃のインドネシアの地形変動(ボルネオ島の回転等)によりそれまではインド洋に抜けていた赤道付近の海流が北上するようになったためであること、寒冷化の原因は、約4000万年前に南極大陸がオーストラリアや南アメリカと完全に離れたために南極周極流ができて暖流が流れ込まなくなって氷床に覆われたこと、約450万年前にパナマ海峡が閉鎖された(パナマ地峡がつながった)ためにメキシコ湾流がヨーロッパまで流れて大量の水蒸気を運びそれが偏西風によってヨーロッパ北部・シベリアに雨や雪を降らせてその真水が北極海に流れ込んだために北極海が凍結するようになったこと(パナマ仮説)などが説明されています。気候が地形に左右されること、大いなる自然の不思議に気付かされました(風が吹けば桶屋が儲かる的な印象もありますが)。
佐野貴司、矢部淳、齋藤めぐみ 講談社ブルーバックス 2022年9月20日発行
5000万年という超長期のスパンで見ると、活発な火山活動等によって現在よりも約10℃気温が高かった約5000万円前から長期的には寒冷化が続き、現在は間氷期の温暖状態であること、他方で産業革命以降の温暖化は極めて急速なものであることが説明され、私が子どもの頃に聞かされていた寒冷化の話と現在言われている温暖化の話が頭の中で整理された気持ちになりました。
日本の気候が緯度のわりに温暖で雨が多く日本海側では雪が降る(雪が多い)ことは、強い暖流の黒潮が近海を通り、その支流の対馬海流が日本海を流れること、日本海が存在して高い山があるためにシベリア高気圧からの冬季モンスーンが大量の水蒸気をはらんで日本アルプス等に吹き込んで大雪となるというような地理的条件があるためであること、かつては日本は大陸の一部であったがそれがマグマのリフティング等によって次第に移動して島となり日本海が形成されたこと、黒潮が日本近海を流れるようになったのはインド亜大陸の移動に伴う1700万年前頃のインドネシアの地形変動(ボルネオ島の回転等)によりそれまではインド洋に抜けていた赤道付近の海流が北上するようになったためであること、寒冷化の原因は、約4000万年前に南極大陸がオーストラリアや南アメリカと完全に離れたために南極周極流ができて暖流が流れ込まなくなって氷床に覆われたこと、約450万年前にパナマ海峡が閉鎖された(パナマ地峡がつながった)ためにメキシコ湾流がヨーロッパまで流れて大量の水蒸気を運びそれが偏西風によってヨーロッパ北部・シベリアに雨や雪を降らせてその真水が北極海に流れ込んだために北極海が凍結するようになったこと(パナマ仮説)などが説明されています。気候が地形に左右されること、大いなる自然の不思議に気付かされました(風が吹けば桶屋が儲かる的な印象もありますが)。
佐野貴司、矢部淳、齋藤めぐみ 講談社ブルーバックス 2022年9月20日発行