個人事業主のための会計と確定申告の基礎的な知識を説明し、青色申告や法人化のメリット等を解説した本。
自分で確定申告をしている身には、すでにしていることの確認ですが、法人化のメリットで、同じ収入で個人事業主のままの場合と法人化して利益を全額給料としてもらったときの税額の違い(実質は事業所得への課税と給与所得への課税の違い)を数字にされると、個人事業主がいかに虐げられ搾取されているか、言い換えれば給与所得者がいかに優遇されているかを改めて感じます。給与所得者には給与所得者が損して個人事業者が得しているという妄想を持っている人が多いですが、それは所得を隠せる、つまり不正(脱税)をすればということで、正直に申告している個人事業者には給与所得者の優遇ぶりは垂涎の的です。年間所得400万円で法人化して利益を給料としてもらう方が税金が安くなり、所得1000万円だと54万円、1600万円だと100万円の差が出るそうです(225ページ)。
必要経費の費目(勘定科目)の説明で、名刺や年賀状も広告宣伝費と書かれていて(230ページ)、そうなんだと思いました。私は名刺は消耗品費、年賀状は通信費にしているのですが。もっとも、巻末付録の一覧表では、名刺作成費は消耗品費(事務用品費)とされていますけど(254ページ)。この巻末付録の「勘定科目と控除の早見表」で、出張での食事代が旅費交通費とされています(244ページ、245ページ)。出張しなくても食事はするので、私は、依頼者に請求したことも、またそれを経費として申告したこともありませんが、それ、経費にしていいんだ? さらに大きな驚きは、出張日当も旅費交通費にされていること(244ページ)。いや、個人事業主の出張日当って、払う方じゃなくてもらう方でしょ。この一覧表でも配当とかの支払を受けたのは「所得」になっています。もし個人事業主が従業員に出張させてその従業員に日当払う場合を言っているのなら費目は当然給料賃金ですしね。大丈夫か、これ?と思ってしまいました。
経費の偏りがあると税務署にチェックされる可能性が高くなるので高額になる費目は一部を抜き出して自分で別の費目を作れ(インターネットサイトに払う情報利用料は通信費ではなく新聞図書費とか諸会費にする、オフィス用品は消耗品費とは別に事務用品費を作る等:230ページ、232ページ、235ページ)というのは実務的な助言なのでしょうけど、そういうもんなんですかねぇ(姑息な感じがする)。
山本宏監修 技術評論社 2022年10月6日発行(初版は2007年1月10日)
自分で確定申告をしている身には、すでにしていることの確認ですが、法人化のメリットで、同じ収入で個人事業主のままの場合と法人化して利益を全額給料としてもらったときの税額の違い(実質は事業所得への課税と給与所得への課税の違い)を数字にされると、個人事業主がいかに虐げられ搾取されているか、言い換えれば給与所得者がいかに優遇されているかを改めて感じます。給与所得者には給与所得者が損して個人事業者が得しているという妄想を持っている人が多いですが、それは所得を隠せる、つまり不正(脱税)をすればということで、正直に申告している個人事業者には給与所得者の優遇ぶりは垂涎の的です。年間所得400万円で法人化して利益を給料としてもらう方が税金が安くなり、所得1000万円だと54万円、1600万円だと100万円の差が出るそうです(225ページ)。
必要経費の費目(勘定科目)の説明で、名刺や年賀状も広告宣伝費と書かれていて(230ページ)、そうなんだと思いました。私は名刺は消耗品費、年賀状は通信費にしているのですが。もっとも、巻末付録の一覧表では、名刺作成費は消耗品費(事務用品費)とされていますけど(254ページ)。この巻末付録の「勘定科目と控除の早見表」で、出張での食事代が旅費交通費とされています(244ページ、245ページ)。出張しなくても食事はするので、私は、依頼者に請求したことも、またそれを経費として申告したこともありませんが、それ、経費にしていいんだ? さらに大きな驚きは、出張日当も旅費交通費にされていること(244ページ)。いや、個人事業主の出張日当って、払う方じゃなくてもらう方でしょ。この一覧表でも配当とかの支払を受けたのは「所得」になっています。もし個人事業主が従業員に出張させてその従業員に日当払う場合を言っているのなら費目は当然給料賃金ですしね。大丈夫か、これ?と思ってしまいました。
経費の偏りがあると税務署にチェックされる可能性が高くなるので高額になる費目は一部を抜き出して自分で別の費目を作れ(インターネットサイトに払う情報利用料は通信費ではなく新聞図書費とか諸会費にする、オフィス用品は消耗品費とは別に事務用品費を作る等:230ページ、232ページ、235ページ)というのは実務的な助言なのでしょうけど、そういうもんなんですかねぇ(姑息な感じがする)。
山本宏監修 技術評論社 2022年10月6日発行(初版は2007年1月10日)