ブランドと偽造・コピー商品をめぐるメーカー・デザイナー側と消費者側の論理や行動などをあれこれ論じた本。
著者の姿勢は、読んでいて今ひとつよくわかりません。偽造商品の購入は犯罪者集団に資金提供することになるかのように論じてみたり、そうでもないように論じてみたり、偽ブランドは本当に悪いのかと問題提起してみたり、偽ブランドに手を出す人は(ファッションに関する限り)高いブランド品は買わないのだからブランドに被害を与えていないのではと論じてみたり。
サブタイトルの「なぜ消費者は嘘を買うのか」にストレートに答えているようにも思えません(偽ブランドの品質もよくなってきているとか、とんでもなく高いブランド品より安くてそこそこもつ偽ブランドの方が魅力的とか、本で読まなくてもわかりきったことは時々出てきますが)。
アメリカやヨーロッパの高級ブランド企業は極東(特に日本)でブランド・ロイヤルティを育むことに成功した、自国の市場では顧客のロイヤルティの多くを失ってきたという指摘(70~71頁)は、欧米の高級ブランドをいまだにありがたがっているのは日本人だけと読めます。
また、1980年代のサッチャー主義がよくいえば「懸命に働いて自力で成功すれば欲しいものは何でも手に入る」悪くいえば「他社のアイディアを盗んでなぜ悪い、ぼろ儲けできるならいいじゃないか」となり、自分さえよければという風潮となって偽造マーケットを成長させたという指摘(147~151頁)は、へ~~っと思いました。私はもちろんサッチャー主義とかきらいですけど、そこまでは思ってませんでしたけどね。
原題:The Fake Factor : Why We Love Brands but Buy Fakes
サラ・マッカートニー 訳:浦谷計子
ダイヤモンド社 2006年10月26日発行 (原書は2005年)
著者の姿勢は、読んでいて今ひとつよくわかりません。偽造商品の購入は犯罪者集団に資金提供することになるかのように論じてみたり、そうでもないように論じてみたり、偽ブランドは本当に悪いのかと問題提起してみたり、偽ブランドに手を出す人は(ファッションに関する限り)高いブランド品は買わないのだからブランドに被害を与えていないのではと論じてみたり。
サブタイトルの「なぜ消費者は嘘を買うのか」にストレートに答えているようにも思えません(偽ブランドの品質もよくなってきているとか、とんでもなく高いブランド品より安くてそこそこもつ偽ブランドの方が魅力的とか、本で読まなくてもわかりきったことは時々出てきますが)。
アメリカやヨーロッパの高級ブランド企業は極東(特に日本)でブランド・ロイヤルティを育むことに成功した、自国の市場では顧客のロイヤルティの多くを失ってきたという指摘(70~71頁)は、欧米の高級ブランドをいまだにありがたがっているのは日本人だけと読めます。
また、1980年代のサッチャー主義がよくいえば「懸命に働いて自力で成功すれば欲しいものは何でも手に入る」悪くいえば「他社のアイディアを盗んでなぜ悪い、ぼろ儲けできるならいいじゃないか」となり、自分さえよければという風潮となって偽造マーケットを成長させたという指摘(147~151頁)は、へ~~っと思いました。私はもちろんサッチャー主義とかきらいですけど、そこまでは思ってませんでしたけどね。
原題:The Fake Factor : Why We Love Brands but Buy Fakes
サラ・マッカートニー 訳:浦谷計子
ダイヤモンド社 2006年10月26日発行 (原書は2005年)